つれづれゲーム日記:『メトロ エクソダス』の巻

■メトロ エクソダスPS4 / Xbox One

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ポスト・アポカリプス世界を舞台にしたFPSゲーム『メトロ エクソダス』が発売されたのでオレもいそいそとプレイしている最中である。ポスト・アポカリプスちゅうのは「全面核戦争後の文明が崩壊し殆どの人類が死に絶えた世界」の事だ。映画だと『マッドマックス』シリーズあたりを思い浮かべてもらうといい。しかし『マッドマックス』は血管ブチ切れ気味のならず者たちが今日も元気に「ヒャッハーッ!」している世界だが、この『メトロ エクソダス』はもっと暗くて怖くて寒々しい世界なのだ。

このゲームは核戦争後の荒廃したモスクワを舞台に、放射能を恐れ地下鉄坑道で細々と生きる人々のサバイバルを描いたものだ。未だ放射能渦巻く地表は防護マスクなしで活動することができず、さらに獰猛なミュータントや危険な敵勢力が潜んでいる。ゲームは瓦礫と化した廃墟の都市を、あるいは腐敗と汚濁に満ちた暗黒の地下道を彷徨うことになる。さらに厳寒のロシアの地を舞台としていることにより、地上は雪に覆われ河川は凍りつき、物語世界の寒々しさを一層引き立てることになる。ちなみにこのゲーム、『メトロ2033』『メトロ ラストライト』の続編となり、シリーズ第3作という位置付けになる。

さてこの『メトロ』シリーズを語る上で忘れてはいけないのは伝説のFPSゲームS.T.A.L.K.E.R.』の存在だろう。FPSゲームには『DOOM』『Quake』『Unreal』『Half-Life』など一時代を築いた名作ゲームが多数あるが、そのユニークな世界観と高い難易度から、『S.T.A.L.K.E.R.』も多くのゲーマーの心に刻まれたゲームと言っていいだろう。そしてこの『メトロ』シリーズは、『S.T.A.L.K.E.R.』の製作メンバーが関わっているゲームなのだ。

S.T.A.L.K.E.R.』はなにしろ凄まじいFPSだった。まず、物語の中心となるのが1986年4月にメルトダウンを起こし、地球規模の大災害を招いたあのチェルノブイリ原子力発電所なのだ。で、こっからはゲームの物語。事故後さらに謎の大爆発が起こり広範囲の放射能汚染地帯となったその地では突然変異の危険な生物が跋扈し、さらに不可解な超常現象が観測されるようになる。そして人々にはある噂が流れ始める。「原発跡地には全ての願いを叶える”何か”が存在する」と。こうして様々な食い詰め者たちがその地に集まり、幾つものセクトを形成して敵対しあいながら、多額の報酬を得られる”異次元の遺物”を求め、死と隣り合わせの探索活動を続けていた、というのがゲーム『S.T.A.L.K.E.R.』だ。廃墟と瓦礫に覆われた荒涼たるロシアの大地、そこを徘徊するミュータント生物と武装した集団との戦闘、防護マスク無しでは容易く放射能被曝を起こす危険、常に絶望的状況の中で生存を余儀なくされる主人公など、『S.T.A.L.K.E.R.』と『メトロ』シリーズの共通項は多い。『S.T.A.L.K.E.R.』をよりカジュアルにプレイできるようにしたゲームが『メトロ』だと思えばいいかもしれない。

さてオレ個人は『メトロ2033』をPC版でクリアしたが、同じくPC版でプレイした続編『メトロ ラストライト』はグラボの不調でプレイ断念、今回XboxOneで始めたこの『メトロ エクソダス』はそのリベンジという形になる(ストーリーが繋がってるという話なんで2作目やってないのはちょっと残念)。早速始めた訳だけれど、いきなり真っ暗な地下坑道でモンスターに追い掛け回されて既に涙目だ!

「暗いよー、狭いよー、コワイよー!(おまけに小汚いよー!!)」

今回の『メトロ エクソダス』、タイトル通り「絶望的な生活を送る地下鉄坑道からの脱出」が描かれることになる。物語では力強い仲間たちが手助けしてくれるが、何と言っても嬉しいのは主人公の美人の奥さんアンナの登場だ!主人公や仲間たちと最前線で戦う彼女だが、常に主人公を頼りにし全幅の信頼と熱い愛情で応えてくれるのだよ!守るわ!こんな美人ちゃんだったらオレ守り抜いちゃうわ!もうオレはアンナが画面に登場するだけでいつもメロメロだぞコノヤロ!

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ショートカットが素敵なアンナ奥様

ゲームシステムやデザインがどうとかはどこかのゲームサイトでも見てもらうとして、今作では非常に物語に力を入れているらしく、仲間との会話や人間関係の濃密さ、そこから生まれるドラマを楽しむゲームとなっているように感じた。要するにRPG的な要素が強いという事だ。

同じ核戦争後の地球を舞台にしたゲームに「Fallout」シリーズがあるが、この「メトロ」はもっと暗く寒々しく絶望的で世界はあまりにも非情さに満ちている。しかしこの3作目にはどこか希望のきざはしが見え隠れする物語となっているのだ。マップも結構広大でありやりがいも多い。「ちょっと癖のある世界観の普通のFPS」だった「メトロ」シリーズだが、この3作目は案外最高傑作かもしれない(2作目ちゃんとやってないけど)。