■アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー (監督:アンソニー・ルッソ ジョー・ルッソ 2018年アメリカ映画)
マーベルヒーロー総出演映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』を観てきました。今回はなるべくネタバレ無しで書くつもりです。
最初に白状しちゃうとオレ、MCU、いわゆる「マーベル・シネマティック・ユニヴァース」映画って正直楽しめなかった作品が多くて、全然思い入れがないんですよ。最初の『アイアンマン』から『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』あたりまでは面白く観てたんですが、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』、あれがダメだった。辛気臭くて。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』1,2作目は凡作にしか思えなかった。『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』に至ってはお題目が多くてイラつかされた。
そんなオレなんですが、今作『インフィニティ・ウォー』は「アベンジャーズ全滅へのカウントダウンが始まる!」とか言ってるんで、「そろそろ最後みたいだしハナシのネタにちょっくら観とっか」程度の興味で劇場に行ったんですけどね。
そしたらアナタ。これが。メチャクチャ凄まじい映画だったじゃないですか!?
いやあ、よくもこんな情け容赦ない映画作ったもんだ。感服しました。今までブログやツィッターでMCU貶したこともありますが、ここで全面降伏します。オレが悪かった。MCU製作者の皆様並びにファンの皆様、本当にスイマセン。
(とはいえ、「全然思い入れがない」とか言ってるくせに、調べたらMCU作品全部観てるんだよなあオレ……最近のだって『ドクター・ストレンジ』や『ブラックパンサー』なんか大絶賛だったんじゃんかよオレ。「好きじゃない作品もあった」ぐらいでMCUを全否定してたのかよオレ。実は好きな事認めたくなかったのかよオレ?このヒネクレモノ……)
メチャクチャ凄まじい、と思わされたのは、「これまでの全部のMCU作品はこの『インフィニティ・ウォー』の為に用意されていたんだな」と思わずにはいられない巧妙極まりない構成を感じさせてくれたからですね。
あのキャラも、このキャラも、どれもみんな無駄じゃないんだよ!それぞれにきちんと役割があって見せ場があるんだよ!特にガーディアンズ!オレ最初に『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』がつまんなかったって書いたけど、この『インフィニティ・ウォー』でのガーディアンズの連中、誰も彼もが愛おしくてカッコよくて、オレみんな好きになっちゃったよ!そう考えるとガーディアンズ1,2作目を観ていたことは、実はまるで無駄じゃなかったってことなんだよ!
それともうひとつ驚かされたのは、ケツアゴならぬキンタマアゴをした最大の敵、サノスのキャラクターでしょう。大概このテの敵キャラというのは冷酷で非人間的で非人格的な存在として登場するんですが、このサノス、あろうことか人間的なんですよ。確かに冷酷かつ悪逆な狂気に囚われたキャラクターではあるんですが、きちんと人格のある存在として描かれている。ここにはびっくりさせられた。そしてそれにより物語に非常に深みを与えることに成功している。
そしてとてもよかったのは、お話がとてもシンプル、これに尽きるでしょう。いろいろ因縁なり前作までのわだかまりなりが描かれもしますが、基本となるのはヒーローたちとサノス軍団の、勝つか負けるかというその戦いです。要するに、どっちが強い?というアクションが延々と描かれている。「そんな単純な話じゃねえ」と言われそうですが、少なくとも単純化して観る事が十分可能だ。そしてこのパワーバランスのシーソーゲームが、善だ悪だという能書きを逸脱してくれて、いっそ清々しいぐらい楽しい。
それと、ガーディアンズの流れもあって、物語の舞台が半分ぐらい宇宙(の他の星)だっていうのもいい。MCUに限らず、そもそもこのジャンルのヒーローモノっていうのは地球のどこぞの都市が襲われて、善良な市民の皆さんが逃げまどう中、ヒーローが正義の為に立ち上がる!てなお話が多くて食傷していたんですよ。ただし宇宙ばかりだと今度は逆に絵空事のように思えてしまう。地球と宇宙半々のバランスがいいんですね。
そしてもちろん、最高にメチャクチャ凄まじいと感じたのは、「アベンジャーズ全滅へのカウントダウン」というヤヴァい内容にあります。「情け容赦ない」と思ったのはそんな部分だった。この辺はネタバレになるから詳しくは書きませんが、心の準備していても「え!?ウソ!?ホントに!?いいのコレ!?」と驚愕しちゃうんですよー。
ヒーロー死なせてショッキングさで売る、というのはあざとく感じるかもしれませんが、原作のアメコミでも結構殺しちゃってる作品もあるみたいだし、そもそも、こういった物語の、「回を追うごとに敵がインフレーションを起こす」という定石を、一回リセットしちゃう、っていうのは賢い判断じゃないのかな。MCU作品が今後どうなっていくのかは知りませんが、次作『アベンジャーズ4』で綺麗な一区切りが着けようとするのは、作品的にも正しい事なんじゃないでしょうか。
アベンジャーズ & アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン ブルーレイセット(期間限定) [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
- 発売日: 2018/04/04
- メディア: Blu-ray
- この商品を含むブログを見る