■砂漠でサーモン・フィッシング (監督:ラッセ・ハルストレム 2011年イギリス映画)
『砂漠でサーモン・フィッシング』なんてタイトルなもんですから果てしなき不毛の砂漠に釣りさえも可能な巨大な水源を作るというNHKドキュメンタリー『プロジェクトX』みたいな話なのかと勝手に思ってたんですよ。
工期30年!総工費10兆円!関わった技術者5万人!工期中の事故による犠牲者が3000人!度重なるアクシデント!困難に続く困難!しかし男たちは立派にやり遂げた!やり遂げたのだ!風の中のす〜ばる〜砂の中のぎ〜んが〜♪…という、日本のサラリーマンが滂沱の涙を流しながら失禁して喜びそうなお話だと思ってたんですけどね。
そしたらアナタ、これが観てびっくり、なんとこの映画、実はラブロマンス物だったんじゃあ〜りませんか!それも三角関係といいますかてーへん掛ける高さ割る2!な状態なわけですよ。こうして本国版のポスター(←)なんか見てみてもやっぱりこりゃあラブロマンスですよねえ。
で、その合間に中東の金持ちが出てきて「俺は金持ってんだから不可能はないんだっつーのだから地元の砂漠で鮭釣らせろっつーの金なら出すなんぼでも出すっつーの」とかやるわけですよ。なにしろ相手が金持ちなだけにこのプロジェクトが成功しない訳がない、ということは映画観てて最初に分かっちゃうんですよね。
しかし砂漠でサーモン・フィッシングしたいとか言うのって変わり者っぽいですけど、サーモン・フィッシングでよかったですよ。これが「サーモンピンク釣りてええ!」とか言いだして砂漠のど真ん中にどんなきわどいエロエロな事もノープロブレムな一大風俗営業店を作られても困るわけですしね、ましてや金にあかせて「1万人規模のムカデ人間作りてぇえええ!」とか言い出すようなホラーマニアとかじゃなくて本当によかったですよね。
まあ例によって訳の分からないことを書きましたが主演のユアン・マクレガーもエミリー・ブラントも好印象で砂漠の大富豪のアムール・ワケドもいい男で、ラブロマンス物としてもいい出来でしたね。ただユアンの恋敵となる軍人青年は軍人というよりはチャラ男にしか見えなくて、ここはやっぱり軍人ですから『ギアーズ・オブ・ウォー』のマーカスみたいなゴリラ男を登場させてユアンの頭を叩き割るなり目玉を抉り出すなりして半死半生の目に遭わせるとかいう展開が欲しかったですね。
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