■ブロードウェイ・オブ・ザ・デッド 女ンビ ―童貞SOS―(1) / すぎむらしんいち
![ブロードウェイ・オブ・ザ・デッド 女ンビ ―童貞SOS―(1) (シリウスKC) ブロードウェイ・オブ・ザ・デッド 女ンビ ―童貞SOS―(1) (シリウスKC)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61VUL8aywpL._SL160_.jpg)
ブロードウェイ・オブ・ザ・デッド 女ンビ ―童貞SOS―(1) (シリウスKC)
- 作者: すぎむらしんいち
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/07/22
- メディア: コミック
- 購入: 17人 クリック: 1,128回
- この商品を含むブログ (13件) を見る
「女ンビ」たちは言います、「男なんてもう要らない」と。そして女ンビに齧られた男はと言うと、これは普通にゾンビになっちゃうんですね。女ンビ化した女たちは野性に還ったかのようにギラギラとしてある意味美しくもありますが、ゾンビになった男の方は、それはそのまんま、単なる歩く死体でしかないんですね。この辺の構図って、現実の、男を(比喩的に)食って生き生きとする女と、女に(比喩的に)食われて死人みたいに生きる男って構図にも見えますね。
で、その中で、女ンビから逃げ回る主人公とその一行は、非モテで童貞という、いわゆる恋愛関係においての負け組みたいな連中なんですが、そもそも女性と接触する機会がなかったからこそ助かっちゃうんですよね。さらにそこに、女ンビ化していない少女が一行に加わることで、主人公の煩悩は極限まで達してしまうんですね。この少女っていうのが見るからに処女で、物語は「非処女から逃げ回り処女に憧れる処女厨」といったニュアンスまで含まれているんですね。
つまりこの物語、ゾンビになぞらえた、恋愛における男女の階級闘争というものさえ描いているといえるんですよね。とか言いつつ主人公の非モテ君は冒頭からずーーっとフルチンというあまりに情けない格好なんですけどね!物語は後半、ゾンビに追われて「中野ブロードウェイ」での篭城を決める主人公たちが描かれます。全ての女をシャットアウトしてオタクの牙城「中野ブロードウェイ」に立て篭もるっていうのもまた皮肉!ここまでの展開でまだ1巻目ですから本当に先が楽しみです。ロメロ・ゾンビへの正統的なオマージョも捧げられたこの漫画、ゾンビ好きは要注目ですよ。