■バットマン:ザ・ラスト・エピソード / ニール・ゲイマン

バットマン:ザ・ラスト・エピソード (ShoPro Books)
- 作者: ニール・ゲイマン(作),アンディ・キューバート、ほか(画),関川哲夫
- 出版社/メーカー: 小学館集英社プロダクション
- 発売日: 2010/05/20
- メディア: 大型本
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バットマンの死に様について、語られる事実はどれも異なっている。しかしそれでも彼らはたった一つのことを語っている。それがどのような形であれ、ヒーローもいつかは死ぬ、ということ。そして死を語るというのは同時に"生"を語るということでもある。バットマンは何のために生きていたのか?それは誰もが知る、両親を失ったあの事件への怒りと悲しみゆえだ。あのような悲劇を生んだ犯罪を根絶やしにするためだ。しかし、幾ら犯罪者を懲らしめたところで、犯罪が全て無くなるわけではなく、バットマンは永久に戦い続けなければならない。ただ怒りと悲しみだけを胸に、決して癒されること無く、死ぬまで生き続けること。それは無間地獄だ。いってみればバットマン・ストーリーとは、バットマン=ブルース・ウェインに永遠に救済をもたらさない物語だったのだ。
しかし。バットマンの死を描いたこの『バットマン:ザ・ラスト・エピソード』は、クライマックスにおいて、バットマンへの真の救済が用意される。原作者ニール・ゲイマンによる鮮やかな手腕で描かれたそのエピソードは、バットマン・ストーリーの終焉はこれ以外にありえないのではないかと思わせるほどに感動的な幕引きを見せる。ダーク・ファンタジーの第一人者であるニール・ゲイマンはそれを詩的でそして哀切に満ちた夢幻の物語として描ききる。終わらぬ怒りと悲しみの円環は閉じ、救済という名の終幕がそこには待っている。それはどこか宗教的であり、神々しくさえもあるラストだった。全てのバットマン・ファン必読の書、それがこの『バットマン:ザ・ラスト・エピソード』なのだ。
■スーパーマン:ザ・ラスト・エピソード / アラン・ムーア

スーパーマン:ザ・ラスト・エピソード (ShoPro Books)
- 作者: アラン・ムーア(作),カート・スワン、ほか(画),石川裕人
- 出版社/メーカー: 小学館集英社プロダクション
- 発売日: 2010/05/20
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