デトロイト・テクノ&MORE

■Kings Of Techno / Laurent Garnier/Carl Craig

Kings of Techno

Kings of Techno

2枚組、ローラン・ガルニエとカール・クレイグがそれぞれ彼等の中の”デトロイト”を音に中に映し出すMIXになっています。
中でもローラン・ガルニエのMIXが実に面白くて、フロア向けのMIXではなく、CD一枚を費やした”音でつづるデトロイト”といったドキュメンタリータッチの内容になっています。例えばデトロイト出身のHIPHOPアーチストJEY DEEのライムがMIXされた後にデトロイトモータウン”のアレサ・フランクリンが繋げられ、そしてデトロイトで活躍していたグラム/パンクロックのストゥージズ(イギー・ポップ)の「ノー・ファン」がMIXされたかと思うとやはりモータウンで活躍したパーラメントがMIXされていたりとか。判別できなかったんですがデトロイト暴動の際のニュース音声も挿入されてるんじゃないのかな。勿論デトロイト・テクノのカールクレイグ、その変名ユニットBFCのチューンも使われ大いに盛り上がってくれます。さらにデトロイトを代表するテクノ・ミュージックの神DJ、ジェフ・ミルズの音をあえてライブ音源で使うところにドキュメンタリーとして拘ったセンスの良さを感じました。そして最後はUnderground Resisitance。このガルニエのセンスにはさすがに唸らされました。
一方カール・クレイグはイントロで数々のデトロイトテクノDJに謝辞を捧げ、名前を読み上げていきます。これがまた泣けますね。そしてその後の1曲目がThe Art Of Noiseの『Beatbox』。ぐあ、懐かしい!その後もNitzer EbbYellow Magic Orchestra、Yelloと、テクノというよりもエレクトリック・ミュージックのオールドスクールを並べる徹底振り。好きだったんだろうナア。


Laurent Garnierでみつけたビデオクリップ
Laurent Garnier - The Man with the red face ( 2000 )
http://youtube.com/watch?v=FRTZ7ceciXg


■The Album Formerly Known As... / Carl Craig

The Album Formerly Known As...

The Album Formerly Known As...

95年に発売されていたオリジナルアルバムである『Landcruising』は発売当時に買って聴いていたのですが、シングルで先行発売されていた『Science Fiction』はおそろしく格好いいテクノ・チューンだったのに比べアルバム自体は今ひとつ散漫な印象だった。10年の時を経てのこのリメイクは、カール・クレイグ自身も最初のアルバムの出来具合に不本意なものを感じていたからなのではないだろうか。そして生まれ変わったこのアルバムは最盛期のカール・クレイグを髣髴させる未来的でスピード感溢れる美しいテクノミュージック!デトロイトテクノの古参DJですがまだまだ先端で突っ走ってるなと思わせるアルバムです。


Carl Craigでみつけたビデオクリップ
Carl Craig 'Televised Green Smoke' Music Video
http://youtube.com/watch?v=IwUQ5oKM-hE


■Sunriser / Ken Ishii

SUNRISER

SUNRISER

日本を代表するDJケン・イシイのニューアルバム。クラブやイベントではスタイリッシュなDJプレイを聴かせ、オレも結構好きなDJです。ただアルバムとなると変拍子の多用がお好みみたいで、リスニングユーズとしてはちょっと聴き辛かったりして敬遠していたのですが、このアルバムはお馴染の変拍子リズムはあるにせよ、きらめく様なシンセサイザー音がかーなーり気分を高揚させてくれます。曲調も全体的にアゲアゲでフロア向けの仕上がり、なかなかの良作です。


Ken Ishiiでみつけたビデオクリップ
Ken Ishii 'Extra' Music Video