最近聴いたCD / Laurent Garnier、Plantery Assault Systems、Omar-S、Ken Ishii、Ricardo Villalobos

■Laboratoire Mix / Laurent Garnier

Laurent Garnier Laboratoir

Laurent Garnier Laboratoir

1996年にリリースされたローラン・ガルニエの2枚組DJ-MIX。CDはインデックス処理されておらず、CD1枚にMIXされた20あまりのトラックが1つの楽曲のように収録されている。ガルニエが1994年リリースした「X-Mix-2」がそうであったように、ただ1曲1曲を繋いだのではなく、MIXによって形作られるクラブ空間というものを再現したかったのだろう。内容はまさにガルニエと言えそうなデトロイト・テクノ愛に満ちた怒涛のMIX!これは泣けるぞ!CD1のクライマックスがUnderground Resistanceの「Amazon」とAux 88の「Bytes 2」、さらにCD2クライマックスはRhythim Is Rhythimの「Beyond The Dance」で盛り上がりまくるのだ。ちなみにこのCD、発売時期に購入していたのだが何故か紛失、最近になって中古を探して見つけたものだった。内容をきちんと覚えていなかったので新鮮な気持ちで聴く事が出来た。 試聴

■Tales of a Kleptomaniac / Laurent Garnier

Tales of a Kleptomaniac

Tales of a Kleptomaniac

以前紹介したローラン・ガルニエのニュー・アルバム『Tales of a Kleptomaniac』なんだが、実はCDをPCに突っ込むとガルニエのサイトに飛び、そこから55分間にわたるアルバム未収録曲全17曲が無料でD/Lできるのだ。アルバム・ジャケットをよく見ると確かにそんなことが書いたシールが貼ってあったけど今まで気が付かなかった…。しかしこれはお得だね!曲の内容は彼のアルバム『The Cloud Making Machine』に通じる暗くどんよりとしたアンビエントなのだけれど聴く価値はあると思うね。あとここのガルニエのインタビューがカッコよかった。

■Temporary Suspension / Plantery Assault Systems

Temporary Suspension

Temporary Suspension

ルーク・スレイターの別名プロジェクト、プラネタリー・アサルト・システムズのニューアルバムだ!なんだか久々にゴリゴリ押してくるハードミニマル聴いたような気分。確かに以前のテクノってこういうのが多かったんだけれど、テクノも段々批評され進化してくうちに、こういう音は過去形にされてきたような気がするんだよな。でもそれが一巡して、こういうゴリゴリの音ってやっぱりいいじゃん!という雰囲気になってきた。オレもこの流れは大歓迎。あとあんまり暗くないのがいい。 試聴

■Just Ask The Lonely / Omar-S

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以前このOmar-Sの『Fabric 45: Detroit』を聴いた時は「なんだか地味だなあ」と思って最初あんまり聴いてなかったんですよ。でも時間を置いてから引っ張り出して聴いてみたら、派手さはないけれどしっとりしたいい感じのデトロイト・ハウスだということに気が付いてその後はヘビーローテーション。いやあ、初見だけでは分からない音ってあるもんなんですよね。さてこの『Just Ask The Lonely』は永らくなかなか手に入らなかったOmer-Sのファースト・アルバムの復刻だそうです。『Fabric 45: Detroit』同様落ち着いたしっとりした音からじわじわと沸いてくるグルーヴが心地よいアンダーグラウンド・ハウス・アルバムになっています。 試聴

■WARRIOR ON THE DECKS 〜PLAY, PAUSE AND PLAY 2〜 / Ken Ishii

WARRIOR ON THE DECKS~PLAY,PAUSE AND PLAY 2~

WARRIOR ON THE DECKS~PLAY,PAUSE AND PLAY 2~

日本を代表するテクノ・クリエイター、ケン・イシイのデビュー15周年を記念して企画されたMixCD。いやーケン・イシイももう15周年ですか。アニメーター森本晃司がジャケットのアートワークとPVを手掛けた1stアルバム『ジェリートーンズ』からそんなになるんですねえ。実を言うとケン・イシイって変拍子が多くてダンス・ミュージックとしてはちょっと乗れない部分があったんですが、フロアで観る彼のプレイは端整かつクリアーな音を出していて実にカッコイイんですよ。そしてこの『WARRIOR ON THE DECKS』もフロアでのプレイ同様、クリアーでキラキラと輝くようなアッパーなテクノ・チューンをプレイしております。ちょっと音が厚めなのが好みが分かれるところか。 試聴

■Alcachofa / Ricardo Villalobos

ALCACHOFA (輸入盤)

ALCACHOFA (輸入盤)

「リカルド・ヴィラロボスをちゃんと聴いてみよう」と思い立ち、彼の旧作をちまちま集めてきたのだけれど、とりあえず今回で打ち止め。以前も書いたけれどやはりこの人はエフェックス・ツインのようなとても求道的なエレクトロニカを作り続けてきた人だなあ、とこのアルバムでも思った。アメーバのようにグニグニと変わる音の表情は彼のインスピレーションの豊富さを表しているんだと思う。2003年にリリースされたこの『Alcachofa』はこれまで聴いた中では一番リラックスして製作されたアルバムなんじゃないだろうか。クリック・ハウスの雄と呼ばれるヴィラロボスだが、確かにこのアルバムだけを聴いてもそれだけでは止まらない豊かな才能を感じさせる。 試聴