最近ダラ観したDVDやら配信やら

ジャバーウォッキー(4Kレストア版)(監督:テリー・ギリアム 1977年イギリス映画)

1977年に公開されたテリー・ギリアムの初単独監督作『ジャバーウォッキー』、「4Kレストア版」がBlu-rayで出たので観てみた(1975年公開の『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』は テリー・ジョーンズと共同監督作)。実は「これって観てたっけ?」と思いつつ観始めたがやっぱり観ていなかった。物語は中世英国を舞台にした怪物退治を描くもので、タイトル「ジャバーウォッキー」はルイス・キャロルのナンセンス詩に出てくる怪物の名前。もう「モンティ・パイソン」直系のナンセンスさに溢れた狂った作品で実に楽しかった。大昔のイギリスなんざ胡乱で不衛生で貧困塗れだよッ!貴族もバカ、王族もバカ、民衆はクルクルパーで騎士なんざ単なるボンクラだよッ!というディスり芸炸裂、それをアメリカ人監督が撮ってるんだからなんともかんとも。あと4Kレストア画像は古い映画にしては綺麗になっていたと思うぞ。

タイラー・レイク -命の奪還-2 (Netflix映画)(監督:サム・ハーグレイブ 2023年アメリカ映画)

秘密傭兵集団の活躍を描くネトフリ映画『タイラー・レイク -命の奪還-』の続編。今回は主人公の嫁の依頼で刑務所に監禁されたギャングの家族を救出するといった内容なんだが、まず収監中のギャングが「俺は家族といたい」という理由で罪のない家族を強引に刑務所に住まわせているだけなんだから、これを武力で奪還するというのも単細胞過ぎると思うんだがそれは置いとこう。問題はその家族のガキが「ボクはギャングの父ちゃんに従う!」とかイキッてこっそり造反する部分で、このガキの裏切りのせいで結局敵も味方も大量の犠牲者を出しているってのが相当にモヤるんだよな。で、依頼者である主人公の元嫁も、作戦により仲間を失い本人も満身創痍の主人公に過去の家族問題をグダグダ持ち出して、ちょっと待てよアンタ感謝のかの字もないのかよと呆れ返ってしまう。そんなグズグズの連中を相手にしているのに最後はなんだか知らんがメデタシメデタシで終わるという、実に胸糞の悪くなるお話だった。

アントマン&ワスプ:クアントマニア (監督:ペイトン・リード 2023年アメリカ映画)

オレの中でMCU映画は「アントマン」シリーズと「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズは劇場で観る必要のない映画という事になっている。理由はつまらないからだ。ただしレンタルないし配信になったらチェックすることにはしている。というわけで『アントマン&ワスプ:クアントマニア』、配信になったので観てみたのだが案の定つまらなかった。まず世界観が適当過ぎる。物語の舞台となる量子世界の「なんでもアリ」感は実のところ「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」でも「ソー」でもなんとなれば「(D+版)スター・ウォーズ」でも通用してしまうもので、つまりは世界観の独自性がまるで存在せず、主人公がアントマンである必然性がまるで無いという事だ。物語それ自体も何一つ意外性がなく、最悪なのは今後アベンジャーズ最大の敵となるという征服者カーンがまるで強そうに見えずおまけに魅力が乏しい事だ。もうMCUはダメかもしれんな。

FALL/フォール (監督:スコット・マン 2022年イギリス・アメリカ映画)

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二人のフリークライマー女子が配信動画作成のため捨て置かれた地上600メートルの鉄塔に上ったら下りられなくなってさあタイヘン、というサバイバルスリラー。それにしても周囲への連絡と危険予知行動を怠り、下調べもせず貧弱な装備で鉄塔に登り、案の定遭難とかって一体何なの。主人公の一人が頭に何か湧いてるようなイカれユーチューバー女子でもう一人が始終グズグズ泣き言を言っている豆腐メンタル女子で、こんな連中のしょうもない掛け合いの続くドラマにも苛立つやらうんざりするやら。ってか八方塞がりの状況で痴話喧嘩なんかしてんじゃないよ!?高所のスリルも特撮だと思うと特に盛り上がらず、結局どうやって降りるの?というの興味しか湧かなかったなあ。

バッド・アス ジャスティス・リターンズ (監督:クレイグ・モス 2014年アメリカ映画)

ダニー・トレホ強化月間ということで鑑賞。2012年公開作『バッド・アス』の続編で、悪辣な街のチンピラどもをホットドック屋台のジジイ(ダニー・トレホ)が叩きのめす!という内容。この続編ではトレホの相棒にダニー・グローバー演じるジジイが加勢し、ヨボヨボのWジジイによる可笑しなドタバタアクションが展開する。結構なB級作ではあるが、トレホの自伝を読んだ後だと主人公がなぜボクシングジムのトレーナーをしているのかとか、なぜ青少年の麻薬使用を撲滅しようとしているのかが理解できて実に面白かった。これ、トレホ自身のリアルであり、ある意味啓蒙映画的な部分もあるんだよね。……ところで自分のブログを調べていて気づいたのだが、この作品、大昔観ていたことをすっかり忘れていた……。

バッド・アス マッド・リベンジ(監督:クレイグ・モス 2015年アメリカ映画)

トレホ&グローバーのWジジイによる痛快老人アクション第3弾!?である。これまで都市部が舞台だったのを今作では南部ルイジアナに遷し、レイシストの誘拐犯と全面戦争を繰り広げるWジジイの大活躍を描くんだ!?敵と状況が明確な分非常に分かり易く痛快な作品に仕上がっており、ひょっとして3作で1番面白いかも(当社比)!?確かにお約束でありがちな展開だが安心して観ていられるんだよな。ド派手な飛行機破壊シーンも挿入され「このシリーズでこんな金掛けて大丈夫なのか!?」と若干心配したが、調べたら『エア・アメリカ』の破壊シーンを流用したとかで安心した(?)。なお1作目では『レッド・ブル』を、2作目では『カナディアン・エクスプレス』のアクション・シーンを流用していたらしい。そしてこういうチープさも『バッド・アス』シリーズのいい所(いいのかよ!?)。トレホ・ファン必見の安定の1作。

ヒート (監督:マイケル・マン 1995年アメリカ映画)

小説『ヒート2』を読み始めたので予習として鑑賞。ずいぶん昔1度観てるんだが、相当評価の高い作品にもかかわらずどうもオレには印象の薄い映画で、今回改めて観直してもやはり退屈だった。まずなにしろ長くて冗漫。評判の銃撃シーンは今観ると普通だし、パチーノとデ・ニーロの演出は重々しさを気取ってるだけで変化に乏しく、中心となる男たちは一見非情だが誰も彼も女や家庭に足を引っ張られているという部分でどうにも煮え切らない。なんかこう無機的な空間で人格の無い男女が操り人形のように動いているだけみたいな映画だったが、そもそもマイケル・マン監督作ってだいたいこんな感じだよな。にもかかわらず小説『ヒート2』は相当に面白かったりするのが謎。