ホラー映画を中心に最近ダラ観したDVDやら配信やら

THE LAST OF US(ラスト・オブ・アス)

THE LAST OF US(ラスト・オブ・アス)(シーズン1)(ドラマ)

菌類による感染症によりゾンビ禍が巻き起こり、文明崩壊したアメリカを舞台にしたサバイバル・ドラマ全9話。大ヒットした同名ビデオゲームを原作としており、オレ自身はクリア済み。ドラマはゲーム版シナリオをなぞりながら中盤からオリジナルパートを織り込んでいる。

各所で大絶賛されたドラマでオレも観るのを楽しみにしていたのだが、観終わってみるとコレジャナイ感満載だったなあ。なによりゲームの面白さ以上のものを感じなかった。特にオリジナルパートが感傷的過ぎる。「感染者」の登場も少なく当然アクションシーンも少なく、そういった部分のカタルシスが足りなかった。一番の不満は主人公女子の性格や容姿がゲームと違い過ぎていることで、これは1話目からずっと違和感ばかり抱いて観ることになってしまった。

それと思ったのは、これは要するに西部劇じゃないか、ということなんだよな。銃を持った主人公が殺人者や略奪者が闊歩する無法の荒野を旅しながら、人々が細々と生活するコロニーを渡り歩くがそのコロニーもそれぞれに剣呑だったり閉鎖的だったりする、そんな旅の中で身の落ち着ける土地を探してさ迷い歩く、まさに西部劇じゃないですか。西部劇が悪いって言うんじゃないが、こういったアメリカ製のアポカリプス・ストーリーって例えばコーマック・マッカーシーの小説『ザ・ロード』にしても悲壮感ばかり煽り立てるが結局西部劇でしかなくて話の膨らみに乏しいんじゃないかと思ってしまうんだよ。そういった部分で退屈に感じてしまったのだ。

エスター ファースト・キル (監督:ウィリアム・ブレント・ベル 2022年アメリカ映画)

「可哀そうな孤児を引き取ったらサイコパスだった!?」という2009年公開のホラー映画『エスター』の前日譚を描く物語である。前作は観ていたがなにしろ14年前、どんなだったかはぼんやりとしか覚えていなかったけれども、昔書いた自分のブログ感想文を読んだら結構面白かったらしい。前日譚ということで1作目のネタバレから始まるのでオレもネタバレするが、主人公エスターは子供の顔と体形をしているが実は病気で発達の止まった30代の女でそしてキチガイなのである。山岸涼子の恐怖コミック『汐の声』を思い出すが、いやああの作品、日本の恐怖コミックでも1,2を争う怖さだったなあ……。

さてこの『ファースト・キル』、そのネタバレを活かし、エスターがどう素性を知られずに他所に引き取られ犯罪を犯してゆくのか?というサスペンスで持ってゆく部分が面白い。ある意味これはハンディキャップを背負った女のアンモラルな生存戦略の物語であり完全犯罪の物語なのだ。そういった部分でホラーというより犯罪スリラーという見方もできる。さらに今作では途中から思わぬ立場逆転劇が展開し、いい具合のツイストが効いた作品となっている。主演女優も変わった役柄を演じる苦労が偲ばれるが、なかなか奮闘していたと思う。

X エックス(監督:タイ・ウェスト 2022年アメリカ映画)

X エックス [DVD]

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  • ミア・ゴス
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怪作である。テキサスのド田舎に立ち寄った3組のカップルが殺人鬼にブッ殺されるという、世に数多溢れかえる『テキサス・チェーンソー』亜流スラッシャー映画だが、特色となるのはなんと殺人鬼がヨボヨボの老夫婦という点だ。ただしなにしろ老人なので始終ヨロヨロヨタヨタしており、ブッ殺すにしても手元が危ういのである。口から涎を垂らし白目ひん剥いてブチ切れ気味に相手をブッ殺す殺人鬼とは天と地ほども差がある。だから観ていて盛り上がらない。退屈なのである。おまけに途中ジジイとババアの熱いファックシーンが挿入され殺戮シーン以上に具合の悪くなるホラーなのである。

ナンジャコリャ?と思わされるが実は海外ではなぜか評価が高い。思うにこれは殺人夫婦に「若さへの渇望」という動機があり、若さを謳歌する被害者たちへの嫉妬と怒りが存在する点、殺人夫婦が「お前らもいつかこんな年寄になる」と言っているように加齢というものの残酷さを描いた点にあるのだろうか。それを端的に示すのは被害者女性の一人と殺人ババアが同じ女優(ミア・ゴス)によって演じられているという部分だろう。また、従来的にこういった作品では「アメリカのド田舎の殺伐と虚無の恐怖」を描くものだが、この『X』ではむしろ片田舎にひっそりと暮らす住民の生活を都会の連中が搔き乱したが故の殺戮という具合に見えたのだが、これも時代の変化なのだろうか。

スクリーム6 (監督 マット・ベティネッリ=オルピン タイラー・ジレット 2023年アメリカ映画)

1996年に製作されたスラッシャー映画『スクリーム』もシリーズ化されてこれが6作目なのだという。1作目は面白かったと記憶している。なにしろ監督がウェス・クレイヴンだったからな。1997年製作の2作目も確か面白かったんじゃないかな。なにしろ監督がウェス・クレイヴンだし。大昔に観たからよく覚えていないんだよ。ただしその後のシリーズ作は観ていない。で、この『スクリーム6』なんだが、前作もしくはそれ以前の作品からの生き残りの方々が主人公となっているのらしい。この辺り知っていればもっと面白かったのかもしれないが、この『6』単体でも十分楽しめた。

1,2作目しか観てないのだけれども、『スクリーム』の面白さはメタな部分にあったんじゃないかなと思う。ホラー映画に言及しながらホラー・ストーリーが展開してゆくという部分ね。あとハロウィンマスクを被った犯人の正体は?というミステリー部分にもあったんじゃないかと思う。真犯人探しとその犯人の意外性の面白さね。あと青春スラッシャー・ホラーであるという部分。一時流行ったけど今でもあるのかな?『スクリーム6』はそういった部分を丁寧に盛り込んで『スクリーム』らしい話に仕上がっていると思えた(1,2作目しか観てないけど)。こういった作りのホラー映画は今風のホラー映画からしたら古臭いのかもしれないが、オレ特にホラー映画ファンって訳ではないし、ライトな感覚で楽しめるホラー作品だと思えましたね。