なにやら血圧が高い

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Photo by Kristine Wook on Unsplash

 3週間ほど前からのぼせたような頭の重さと動悸を覚え、なんだか具合がよろしくない。血圧計を持っていたので計ってみたら上が150超えで下が90、明らかに高血圧ではないか。これはまずい、と病院に駆け込んだ。

医者が言うには中等リスクのⅠ度高血圧であるという。足にも微妙な痺れがあり動脈硬化の疑いがあるのではないかと言ったら早速検査してくれた。これが両手両足に機器を付け血圧を計るというもので、動脈の硬さの程度と詰まりの程度が分かるのらしい。結果としては「動脈硬化の疑いあり(要するにギリ)」であり、血管の硬さは60代後半に相当するのだという。ただ血管の詰まりは正常値であり経過観察の扱いとなった。

興味深かったのは足の血圧で、右足などは最高193もあったのだがこれで標準値なのだという。足というのはもともと腕よりも血圧が高いのらしい。さらに脈拍が腕が62のところが足は105もあったのだが、これも普通なのだそうだ。脈拍が体全体で違うとは知らなかった。

というわけでつつがなく高血圧患者に認定されたオレは医者に塩分控え目の食生活と酒煙草を控えた日常生活を指導され、1日1回朝だけ飲む弱めの血圧降下剤を処方され、血液検査もしたので次週また来いと言われて病院を出た。高血圧には肥満や運動不足もあるが、オレはBMI標準値の普通体形であり、運動と言ってもそもそも肉体労働者だから一日中体を動かしているのでこれは特に指導はなかった。

やれやれ、とオレは思った。去年は度重なる胃痛と謎の発熱で悩まされ、それをやっとクリアしたかと思ったら今度は高血圧である。60も近いし順調に老化し体が衰えていっているのだ。とはいえ高血圧の理由のひとつは分かっている。春先に事業所の人員が減らされそれと同時に仕事量が増え、とんでもない忙しさの毎日が数ヶ月続いていたのである。ストレスも半端なく、この調子で仕事を続けていたら体がおかしくなるだろ、と思っていたところに高血圧が発症だ。そもそも人員が足りないので容易に休むこともままならず、夏休みすら取れないのではないかと他の職員も気にしており、正直なところオレも暗澹たる気持ちである。

しかしなにはともあれ血圧を正常値に戻さねばならない。なにしろ減塩しろとのことだが、高血圧患者の一日の塩分摂取量の基準は6g未満となっている。ちなみに日本人の一日の平均塩分摂取量は10.1gとなっているが、これは世界でも割と高い摂取量なのらしく、厚生労働省では8gを目標設定しており、WHOでは5gを提唱している。とはいえオレは今まで塩分量など全く気にしたことがなく、ソース醤油は満遍なくダボダボかけるしラーメンの汁は全部飲み干すし加工肉がなによりの好物だったりするのだ。

では実際は食べ物にどれだけ塩分入っとるん?と病院から帰ってレトルトカレーを食べながら外箱を確認するとなんと3g。ギョエッ。いやー、カレー2杯食ったらその日は終わりですね!というわけでこの日を境にカレーは封印することとなった。さらばカレー。あとラーメンはどうなんだろう。汁さえ飲み干さなければよいのだろうか。まあ食っても週一だから汁は残す方向でどうだろう(意外といい加減)。

減塩生活を始めるにあたり一日の食生活を見直してみると、朝はまずトースト1枚とコーヒー1杯だが、これはパンとマーガリン程度だからそれほど多くはないだろう。問題はお昼で、職場で仕出し弁当を食べているのだがこれの塩分量など分からない。だからとりあえずソース醤油を禁止にした(刻みキャベツにちょっとかけるのは許した)。するとこれが、思いのほか食べられる。そもそもおかずに塩が使われているのだろう、何もかけなくても味に大差ない。というかこのほうがおかずの味がちゃんと分かるではないか。要するに、今まで普通に掛け過ぎていたのがはっきり分かった。ただこの仕出し弁当の運用に関しては今後見直さなければならないような気はしている(気はしている……だけなのだが)。

そして夕食だが、オレはたいていサラダとイモと肉的な何かを食っているので、(塩が使われている)ドレッシングは減らし、あるいは酢とオイルと香辛料のみのドレッシングを作成し、イモに使う塩を極力減らし、肉的な何かの調理の塩分も減らすことにした。それとトマト缶を使った野菜たっぷりスープとパスタを料理し、トマトの酸味で塩気の足りなさを補う料理を運用していくことにした。魚はカルパッチョだと塩分を控えられそうだ。加工肉は100g中塩分はおおむね1.7g……いつもの半分にするか……。今後まだまだ考える必要はあるのだが、オレは自炊をしているのでなんとかなりそうな気がしている。

あとは酒と煙草。ビールなら一日一本程度なら良いのらしい。実はもうちょっと飲んでるんですけど(要するに減ってない)。煙草は止められないなあ……これまでニコチン5ミリのヤツを1ミリに替えたが……やっぱりダメ?

そんなこんなで1週間、血圧降下剤を飲みつつ血圧計を計ってみると以前よりは下がってきた。上が130から140前後、下は70から80前後。まだまだ適正値ではないのだが、1週間にしては頑張ったほうなんじゃないのか?体調も気になる様な症状が消え、時々薬を飲み忘れそうになるほどだ。検査結果を聞くためにこの間の土曜日にも病院に行ったが、血液検査の結果としてはコレステロール値が基準以下の低さなので(オレはもともとコレステロール値が低い)重篤な疾患にすぐさま結びつくことはないと判断され、また血圧も前回より落ち着いてきたので「今後も頑張ってください」と言われて解放された。

そういや血圧が高かった1週間で体重が2キロ落ちてびっくりしたが(最近はもう落ちていない)、去年は胃が悪くて3キロばかり体重落としていて、1年で都合5キロほど減っており、遂に70キロを切ってしまった。これはオレの30年ほど前の体重で、今まで小太りのおっさんだったのが、遂に健康体重になったということなのだ。これも年齢のせいもあるのだろうが、ダイエットもしてないのに、なんだか不思議な気分である(体調的に内臓疾患系はとりあえず無いと見ている)。 

まあそんなわけで、またぞろ厄介なものを抱えてしまったなと思いつつ、逆にこうして血圧のことを考えながら毎日の生活に目配せをするいい機会だったな、とも思っている。なんにしろどんどん年はとってゆきどんどん体は衰えてゆく。そしてどんどん今まで通りではいかなくなってゆく。しかし生活を見直していい方向に変えてゆくことはできる。まあもうちょっと長生きしたいし、まだまだ楽しみにしていることもあるし、今後も健康に留意しながら生活を続けてゆく所存である(だから酒と煙草をどうにかしろとあれほど)。

ちなみにこの間の日曜は相方にお願いしてフムスを作ってもらった。これをパンや野菜に乗せて食しつつワインをちびちびやると美味いのだ。このフムスで塩分2.5g(小さじ半分)、二人分けて食べることを考えると一食1.25g、パンにも塩が入っているしサラダのドレッシングの量もあるけど、それでもこの夜の食事で全体的な塩分は2g程度じゃないだろうか。たっぷり野菜も摂ってるし高血圧食としては及第点でしょ?そして相方さん、美味しい料理をどうもありがとう。

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