バレンタインデーということで今年も相方さんからチョコレートを貰ったオレである。相方さんいつもありがとう。ところで今回、なぜか相方さんはオレにチョコを二つくれたのだ。愛情2倍という事か。付き合ってからもう10数年、こんなに経っても愛情は薄れるどころか2倍増しになっているという事なのか。なんと素晴らしい。
……というのは冗談で、相方さん、食料品はいつもネットスーパーでまとめ買いするのだが、この時既に1個注文していたのを忘れてもう1度チョコを買ってしまったという事だったらしい。というわけで今回都合2個のチョコがオレに届けられたという訳なのである。幾つになってもドヂっ子の相方さんである。チョコは上の写真のチョコレートボンボンと下の写真の「Galler」というメーカーのものであった。
ところで今回書きたかったのはお惚気でも自慢でもなく、チョコレートボンボンの話であった。ボンボンとはウイスキーやブランデーなどの洋酒をチョコレートないし砂糖でコーティングしたお菓子である。ボンボン・ア・ラ・リキュールというのがちゃんとした呼び方なのらしい。で、このボンボンというのが、オレは子供の頃から好きだったのだ。
子供の頃、というのは10歳にも満たない年齢の頃の話である。オレは御多分に漏れずお菓子の好きな子供で、チョコレートも大好物だったが、特にこの洋酒入りのボンボンというのに目が無かったのだ。親戚や両親の友人が子供のオレに「なにかお菓子買ってあげようか」と聞いてきたらオレはすかさず「チョコレートボンボンがいい!」と答えていたほどだ。子供のオレにとって「お酒」というのは禁断の領域であったが、ボンボンであれば限りなくグレイであり、大人たちは割と買い与えてくれたのだ。
子供のオレにとってチョコレートボンボンはそういった「禁断の領域」をちょっとばかりイタズラできる楽しみがあったのと同時に、子供ながらに洋酒の味や香りがとても芳醇なものに感じていたのだ。洋酒とは言ってもボンボンに使われているのはシロップがたっぷり入った、アルコール度数もあってないようなものであろうが、それでもこれの味と香りは格別のものだったのだ。多分ほんのちょっと酔っぱらえるのも楽しかったのだろう。ボンボンに限らず、バッカスやらレミーやらの洋酒入りチョコもあの頃から好きだった。
という訳で10歳にも満たない年齢で既にアルコールの魔力に憑りつかれ始めたガキだったという、空恐ろしいお話なのであった。そしてその後のオレがどのような酒飲みの成人になったかは推して知るべしである。そうは言いつつ、甘酒とかには全然惹かれなかったけどね。今でもまともに飲んだこと無いし。やっぱり酒は洋モノに限る、と子供の頃から思っていたのらしい。返す返すイヤッタらしいガキだったという訳である。