つれづれゲーム日記:『アサシン クリード オデッセイ』の巻

アサシン クリード オデッセイ (PS4/Xbox One/Nintendo Switch/PC)

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◆オレとアサクリシリーズ

ゲーム『アサシン クリード』(以下「アサクリ」)シリーズの事は2007年に第1作目が発売された時から気になっていたのである。このシリーズはアサシン教団の暗殺者となり、古代から中世、さらに近世と、あらゆる時代を舞台に敵対勢力を闇から闇へと葬ってゆくというゲームであり、そのステルス・アクションはもとより、舞台となる時代時代の徹底的にリアルに作り込まれたヴィジュアルの美しさが売りとなり人気を博していた。

とはいえ、オレはこれまでこのシリーズを1本もやったことがなかった。とても興味はあったものの、苦手なステルス・アクションということから敬遠していたのだ。それと、当時読んでいたファミ通(そう、オレは50過ぎまでファミ通を読んでいたという男なのである)に「変態的アクション」と書かれていたのが妙に引っ掛かったのだ。

むう。カッコイイだろうと思っていたアサクリだが「変態的アクション」なのか。実の所、オレ自身は「猟奇的」と言っていいほどの筋金入りの変態であり、変態である自分自身を寧ろ誇り高く思っていたほどに変態をこじらせていた変態の中の変態と言っていいような男なのだが、ゲームでまで「変態」はやりたくない。変態は実生活だけで十分だ。これ以上やるとおまわりさんに捕まっちゃうしねムフフ、などと結論付け、とりあえずアサクリの存在は無視していたのだ。

しかしだ。このシリーズはゲームファンに絶賛を持って受け入れられ、以降スピンオフも含めれば20作近くのアサクリ・ゲームがリリースされることになったのだ。そして新作リリースの記事を読むにつけ(ファミ通で)、その魅力溢れるビジュアルに心ときめかされつつ、「でもやらない!絶対やらないんだかんね!」と、歯を食いしばり顔真っ赤にしながら購入を我慢し続けた。なんかもうこうなっちゃうと意地である。なんの為の意地なのかさっぱり分からないが、とかくオレという人間はこういうどうでもいいことで無駄に体力を使うしょうもない人間なのである。

◆遂に『アサシン クリード オデッセイ』発売。そして……

そして月日が流れ2018年。アサクリの新作『アサシン クリード オデッセイ』が発売されたのである。今回のアサクリの舞台は古代ギリシアだ。「おおおおおお……なんと今回はギリシア……」。オレは色めき立った。オレは映画好きだが、古代ギリシアが舞台の映画にはお気に入りなのが結構あるじゃないか。まずなんと言っても『300(スリーハンドレッド)』だ。あれサイコーだったよなあ。あと『インモータルズ』とか『ヘラクレス』とか『アルゴ探検隊の冒険』とか、『トロイ』はイマイチだったけど、まーなにしろあの甲冑やら筋肉ムキムキの男たちやらを見ると燃えるじゃないか。

オレはアサクリ新作『オデッセイ』が頭から離れなくなってしまった。しかしこれまで頑なに購入を拒んだアサクリシリーズ、今更手を出すのも信条が許さない。いや欲しい、やっぱり止めよう……こうしてオレはゲーム『オデッセイ』をアマゾンのカートに入れたり削除したり、注文したと思ったら速攻でキャンセルしたりと、悩ましい日々を送ることになってしまったのだ(しかしこう書いてて思うが人生ほかに悩むこと無いのかオレ?)。

こうして発売から半年弱経ったある日。いつものようにXboxOneでゲームを遊ぼうとしていたら、ゲームのバーゲンセールを見つけてしまったのだ。それはUBIソフトのバーゲンで、その中にはなんと『オデッセイ』が、しかも定価の半額ほどで売られているではないか。「いやんもうダメ」こうしてオレは己の欲望に根負けし、遂にアサクリシリーズを初体験することとなったのだ(ここまでナゲーよ。読んでる人いるのかよ)。

そしてゲーム・オープニング。おおおおおおおお!いきなりレオニダス王が登場して映画『300』もかくやと思わせる肉弾戦を展開しているじゃないか!なんでいきなりレオニダス王なのか全然分かんないんだけど、これは嬉しいぞ!楽しいぞ!買ってよかったぞ!

◆楽しい!楽しいぞアサクリオデッセイ!

というわけでオデッセイをプレイし始めたオレだが、これがもう、「神ゲー」の噂通り、本当によく出来た面白いゲームなのだ。いわゆるオープンワールド・ゲームで、実はオレはオープンワールドは世界が広すぎてやってて飽きて来るという理由で苦手なのだが、このオデッセイはそれを全く感じない。古代ギリシア世界の作り込みがとことん半端なく、臨場感と迫真性に溢れ、没入感が凄まじいのだ。これはオデッセイがオープンワールドゲームとして抜きん出ているというのもあるだろうが、このオレの古代ギリシアへの憧れが大きいことも加味されているだろう。広大な古代ギリシアの世界を闊歩し、そこで生き、人と会話する。これだけでも楽しくてしょうがない。

それと『アンチャーテッド』的なバルクールが簡単に出来てしまうため、移動が楽しいのだ。どんな山だろうが谷だろうがひょいひょい上り下りできるので、どれだけ高低差があっても目的地までほぼ直線距離で移動できる。これは他のオープンワールドでは有り得ないことだ。長距離なら馬に乗ることもできるし、これもナビ付けとけば勝手に目的地まで走ってくれる。

戦闘がまたいい。主人公は鷹を飼っているが、これを目として上空からの偵察、索敵、マーキングができる。これにより潜入ルートを考察し、タクティカルに敵を殲滅してゆくことができる。戦闘はステルス潜入が最も無難だが、すわ敵と対峙した時はさまざまなスキルを駆使して戦い抜く。

この辺りのゲームシステムを触ってみて思ったのは、これはUBIソフトがこれまでリリースしたゲームシステムの蓄積が開花したゲームなのかな、ということだ。バルクールを加味したステルス要素は『スプリンター・セル』だし、索敵システムは『ゴースト・リコン』とか多分あの辺の戦闘モノにあったよなあ。それらを古代や中世世界に上手く応用したのがアサクリシリーズってことなのかなあ、他のシリーズやってないんではっきり言えないけど、とかいうことを思ったわけだ。まあ勘違いだったら怒らないでくれ。

そんな訳で「初アサクリ」だったオレだがこれはすっかり魅せられてしまった。例によってクリアまで漕ぎつけられるか謎のまた謎ではあるが、にもかかわらず他のアサクリシリーズはどんななのだろう、と興味が湧いてしまったオレである。いやあオデッセイクリアしてから言えよ、って話なんだろうけどさあ、これまでムキになって無視し続けた分思いっきり他のシリーズも触りたくなっちゃってさあ……。こうしてまた積みゲーが増えてゆくという訳である。諸行無常である。