奥浩哉の『GIGANT』に日本SF大賞を!!

■GIGANT(3) / 奥浩哉

GIGANT(3) (ビッグコミックス)

(注:今回の記事は果てしなく下品低劣俗悪下劣な文章だけで書かれておりますのでそういうの苦手な方はお読みにならないでください)

GANTZ』『いぬやしき』の奥浩哉による新作コミック、『GIGANT』の単行本第3巻が発売されました。ええっと、どういう話かと言うとですね。

AV女優が巨大化してモンスターと戦います。全裸で。

いやあ、なんとシンプル極まりないプロット!素晴らしい!分かり易い!そして頭悪い!

「全ての真の傑作はシンプルなプロットで構築されている」と文豪・武者小路実篤も申しておりますが(もちろん真っ赤な嘘)、『GIGANT』はこの「はあ?なんだとお?」と一瞬思考がアンドロメダ星雲の彼方まで行ってしまいそうになるお話を恥ずかしげもなく展開してるんですね。

「なんでAV女優が?」「なんで巨大化?」「モンスターってなによ?」などといろいろ疑問もあるかとは思いますが、とりあえずこまけぇこたぁいいんだよ!

ここには中学2年生(レベル)の夢が全て詰まっている!詰まっているどころかパンパンになっている(※股間も)!

なんてったってアナタ、「巨大化」「モンスター」「戦闘」「裸の女子」が闇鍋の如く一つの物語世界の中でグツグツと煮えたぎっているわけですよ!これ以上ゴージャスかつデリシャスな夢がこの世のどこにあるだろうか(いやない)!?もうこりゃあ夢は枯野を駆け巡っちゃうじゃないですか!(枯野ちゃう)

このような中2の夢を実現した映画作品に『パシフィック・リム』なんてぇロボット映画がありましたが、ここ大事なことですが、『パシフィック・リム』には「裸の女子(しかも巨大化)」は出てこないんですよ!?この一点だけみても、既に『GIGANT』は『パシフィック・リム』を超えたと言えるでしょう!やいデルトロ悔しかったら映画化してみやがれ!

まあそれ以外の物語はなんもありません。奥浩哉ストーリーテリングを期待する人なんて誰もいないでしょう。とりあえずエモな高校生男子が出てきておっぱいのデカイ女子が出てきて、生々しいスケベシーンを経た後おっぱいデカ女子の危機が訪れエモ男子は鼻水垂らしながらワアワア泣く、といういつもアレです。芸なんかないです。

しかーし!すわ戦闘シーンともなればこれが凄い!地上に現れたモンスター!破壊される街!虐殺される人々!このまま日本は蹂躙されてしまうのか!?そこに颯爽と現れたのが我らがヒーロー巨大裸女子(ちなみに名前はパピコ)!

立ちはだかる凶悪なモンスター!対するパピコの攻撃!ここでおっぱいがブルン!モンスターも負けてはいない!モンスターの逆襲に吹き飛ばされるパピコここでまたおっぱいがブルン!パピコ絶対の危機!執拗に繰り出されるモンスターのパンチ!パンチのたびにパピコのおっぱいがブルンブルン!立つんだ!立つんだパピコ!ここでパピコの捨て身の攻撃が炸裂!もちろんおっぱいがブルン!肉塊となって地にくずおれるモンスター!勝利だ!パピコの勝利だ!ブルンブルン!

いやあ……最高っすねえ……。

いまだかつてここまで徹底的に振り切りまくったSF作品があったでしょうか。オレも一人のSFファンとして様々なSF小説、SFコミックを読み、SF映画を観てきましたが、あのクラークでさえ、手塚でさえ、そしてスピルバーグですら、これほど透徹した(頭の悪い)SF世界が展開する物語を物したことはない(する筈もないと思うが)、と断言していいと思います。

このような優れたSF作品が日本で生まれたことに誇りを覚えるとともに、作者である奥浩哉の栄誉を称え、彼に日本SF大賞を授与すべきとオレは切に思うのでありますよ。日本SF大賞の基準は【SFとしてすぐれた作品であり、「このあとからは、これがなかった以前の世界が想像できないような作品」や「SFの歴史に新たな側面を付け加えた作品」】となってますが、この『GIGANT』はまさにそのものじゃないですか。まあ、SFとしてすぐれた作品かどうかはよく分かんないけど!

GIGANT (1) (ビッグコミックススペシャル)

GIGANT (1) (ビッグコミックススペシャル)

 
GIGANT (2) (ビッグコミックススペシャル)

GIGANT (2) (ビッグコミックススペシャル)

 
GIGANT (3) (ビッグコミックススペシャル)

GIGANT (3) (ビッグコミックススペシャル)