エミール・クストリッツァ&ノー・スモーキング・オーケストラのライブが最高過ぎた!

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 エミール・クストリッツァといえば『アンダーグラウンド』『白猫・黒猫』等、鬼気迫る映像とマジック・リアリズム的物語世界を描く名映画監督である。アレハンドロ・ホドロフスキーと並びオレが最も敬愛する映画監督の一人だ。

そのクストリッツァがやって来る!彼のバンド、ノー・スモーキング・オーケストラをひっさげて日本でライブを行うというのだ!ヤァ!ヤァ!ヤァ!

そう、映画監督 エミール・クストリッツァはあんだけ濃いい映画を撮りながらさらにこってりと濃いい音楽活動まで行っているのである。

サラエヴォ出身のパンクバンド“ザブランイェノ・プシェンェ”に1986年、『パパは、出張中!』でカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞したばかりのエミール・クストリッツァが合流。1994年、ベオグラードへ活動拠点を移し、“ノー・スモーキング・オーケストラ”と改名。バルカン・ミュージックとジャズ、ラテン、スカ、ハードロックなどをミクスチャーした独自の“ウンザ・ウンザ・ミュージック”で注目を集め、2001年に発売された「ウンザ・ウンザ・タイム」が世界的大ヒットアルバムとなる。

ザ・ノー・スモーキング・オーケストラ プロフィール

この9月に公開される映画『オン・ザ・ミルキーロード』のプロモーションも兼ねてという事なのだろうが、なにしろもう、これは観に行くしかあるまい! この日オレは同じくクストリッツァ・ファンでありさらにノー・スモーキング・オーケストラの大ファンでもある相方さんと共に会場であるZepp Tokyoへと向かったのである。

開演となりエミール・クストリッツァ&ノー・スモーキング・オーケストラが賑々しく舞台に登場!早速ウンザウンザ!ブガチャカブガチャカ!とたっぷりこってりノリのいいウンザ・ウンザ・ミュージックを披露!唸るギター!軋むバイオリン!さんざめくキーボード!泣き咽ぶホーン!轟くドラム!世界中の音楽を大鍋でグツグツ煮込みとびきり辛いスパイスを加えたようなえもいわれぬ雑食ミュージック!たたたた楽しい!!

ウンザ・ウンザ・ミュージックにあるのは洗練とか技巧とかではなくひたすら猥雑で大衆的でプリミティヴな【音楽の楽しみ】だった。楽しい音楽を楽しく観客と共有する、もうホントに基本的な音楽の在り方を実践してくれていた。好きな音楽ジャンルがどうとか全く関係なく、音楽の好きな人なら誰もが楽しめるであろうサウンドとパフォーマンスを生み出していることにただただ敬服したし、音的には昔っからああなんだろうけど一周回った新しさを感じた。オレは実際曲なんてひとっつも知らなかったけど(クストリッツァ映画で使われた曲もやっていたけど、そんなに覚えてないんですよ)、とことんまで楽しめた。ひょっとしたら、オレの今までのライブ体験の中でもナンバーワンと言ってもいい最高のライブだったのではないかと思う。

そしてなにしろ、バンドの面子がいい!クストリッツァをはじめほとんどオッサンばっかり!そしてそのオッサンたちが誰も彼も激シブ&チャーミング!茶目っ気たっぷり&いたずらたっぷりなパフォーマンスがまたまた心をくすぐる!こんなに笑ったライブもなかなかないよ!オレも一人のオッサンとしてあんな風になりたい、としみじみ思ったね!そして誰もが咽返るような東欧出身の佇まいを醸していてそんな異文化の匂いも堪らなかった。 

 なにより、オレが心から敬愛する映画監督と、ひとつのライブ会場の中で、同じ時間を楽しく共有できたという感激がひとしおだった。映画監督が映画祭やらプロモーションで壇上に登場してなにやら語っているのを客席から眺めているのとは全く違う体験なのだ。 そこにはクストリッツァとの濃厚な時間があり喜びがあった。あーホントに素晴らしかったな!『オン・ザ・ミルキーロード』も楽しみにしてるよ!愛してるぜクストリッツァ!また会おう!

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 (※以下の写真はノー・スモーキング・オーケストラHPから)

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Emir Kusturica & The No Smoking Orchestra Live - Europa & Evergeen & Del Dija @ Sziget 2012


『アンダーグラウンド』などのエミール・クストリッツァ監督作!映画『オン・ザ・ミルキー・ロード』予告編❀◕ ‿ ◕❀

ウンザ・ウンザ・タイム

ウンザ・ウンザ・タイム

 

◎参考記事