2000年に発売されたダーク・ファンタジー・アクション・ゲーム、『アリス・イン・ナイトメア』の続編、それがこの『アリス マッドネス・リターンズ』であります。ゲームの下敷きとなっているのはもちろんルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」と「鏡の国のアリス」。主人公アリスは、不思議の国の体験の後、心を病んだまま18歳の女性へと成長しています。彼女は自らのトラウマを克服すべく、再び不思議の国へと訪れるのですが、そこは闇の支配する悪夢の国へと変貌を遂げていたのです。アリスはこの悪夢の世界で、不気味なクリーチャーどもを相手に、不思議の国を取り戻そうと戦い、そして勝利します…と、ここまでが前作『アリス・イン・ナイトメア』のお話。しかし不思議の国の腐敗は止まる事がなく、さらに10年後、またもやアリスはこの世界に呼び戻される、というのがこの『アリス・マッドネス・リターンズ』の物語となります(ということは今作のアリスは28歳なのかよ!?)。
なにしろこのゲーム、成長したアリスのルックスがいい!アリスはお馴染みのブルーのドレスを着ているのですが、このスカートが返り血を浴びて既に血まみれ!そしてやはり血に濡れた出刃包丁を片手に、長い黒髪を振り乱し、蒼白い顔に孤独と憤怒をたぎらせて戦うのですよ!このあまりにゴスなアリスの姿にまずやられます!
アリスの訪れる悪夢の世界は、現実世界の物理法則など何一つ通用しない不条理の国。アリスは大きくなったり小さくなったり、羽のように舞ったりしながらこの世界を闊歩します、そしてそのアリスが目にするのはファンタジックと言うにはどうにもホラー・テイストな暗く不思議に満ちた巨大建造物やいびつな形の動植物。これらゲーム世界に登場する造型がとても個性的で、この独特のビジュアル・イメージがゲームの魅力の一つとなっています。ゲームが進むに連れ次々と移り変わってゆく不気味で奇妙な光景に、プレイヤーもまた不思議の国へ迷い込んだような気にさせられるでしょう。また、アリス物語でお馴染みのチェシャ猫、キチガイ帽子屋、イモムシ、ハ−トの女王などもきちんと登場します。
ゲームでは迷路となった不思議の国を敵を血祭りに上げたりアクション・パズルを解いたりして進んでゆくことになります。ゲームの殆どは高所を足場から足場へジャンプしたり浮遊したりのアクションが連続しますが、失敗して奈落に落ちてもすぐに直前からやり直せるところがいいですね。モンスターと戦う武器は肉切り包丁やマシンガンと化したペッパーミル、ハンマーとして使うホビー・ホース(馬の首の彫り物がくっついた棒にまたがって遊ぶオモチャですね)、そしてグレネード・ランチャー化したティーポットなど、なぜか日用品を使用するのが面白いです。
このゲームには有料のダウンロードコンテンツがあり、新しいコスチュームや武器が手に入るのですが、自分もD/Lしてみました。単純にアリスの着せ替えをしたかったからなんですが、このコスチュームもそれぞれ特殊能力があり、また武器も使い勝手がよくてゲーム進行を助けてくれます。というわけで現在絶賛プレイ中!なかなか楽しいですよ。
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