「ナノ・スーツ」と呼ばれるパワード・スーツを着こんだ主人公が極悪な敵兵士や気色悪い宇宙人をバリバリと撃ち殺しまくってゆくSFタイプのFPSゲーム『クライシス』シリーズの第3作目、完結編であります。
ゲームの主軸となるのは「ナノ・スーツ」の機能を駆使した戦いです。「アーマー」と呼ばれる戦闘服の装甲強化、「クローク」と呼ばれる光学迷彩、この二つを使い分けながら敵を倒してゆくわけです。しかしこんなハイテク戦闘服を身に着けている割に、これらの機能を使っていないとすぐやられちゃうのがちょっと悲しい訳なんですな。舞台は前作で壊滅させられたニューヨーク・シティ、ここは今瓦礫と化したビルをジャングルが覆い尽くし、さらにナノ・ドームと呼ばれる構造物により7つの異なる環境に仕切られた世界へと変貌しております。
自分はこの『クライシス』シリーズ、『1』も『2』もプレイしておりますが、この『3』をプレイしてみた感想はと言いますと、「なんか今までで一番世界がせせこましいなあ」といったことでしょうか。『1』の舞台だった南海の孤島、『2』の舞台だったNY、どれも広大なフィールドを縦横無尽に駆け巡りながら敵を倒しまくっていた記憶があったんですが、この『3』は個々のステージが妙に短くて狭い、総じて総プレイ時間も10時間ぐらいとかなり短いんですよ。しかもステージによっては光学迷彩を使ったスニーク・プレイで乗り切れてしまうものもあり、これまで結構難易度が高かったシリーズの中ではかなり拍子抜けしてしまいます。
物語も異様なエイリアンの侵略や破壊された世界、といった部分は同じにしろ、逆に特に新機軸が導入されたわけでもなく、魅力に乏しいNPCの魅力に乏しいドタバタした感情的もつれが物語の中心になっちゃってて、たいして見るべきものが無かったりするんですよねえ。そしてゲーム後半はなぜかNYの外れが荒野になっており、ここをバギーで駆け巡りながら敵を倒したりするんですねど、このプレイ感覚やビジュアルがまんま『Halo』なんですよ。『Halo』でも別に構わないんですが、なんでこんな意趣変えになっちゃったのかなあ。なんでも今回のシナリオは『1』のライターがカムバックして作った、いわば真正の『2』だった、という話なんですが、もともとの『2』の雰囲気が好きだったオレとしてはどうも納得できない部分が多いんですよねえ…。
http://www.youtube.com/watch?v=5KHMcPtX5TE:movie:W620
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