ベルギー幻想美術館〜渋谷Bunkamuraザ・ミュージアム

近代ヨーロッパの美術界の中で、ベルギーにおいては19世紀後半から20世紀にかけて、深い意識の底の世界を描き出した象徴主義、そして現実を超えて幻想の世界を描き出したシュルレアリスムの優れた画家たちが登場しました。本展覧会は、姫路市立美術館が所蔵する、日本最大級の質と規模のベルギー美術コレクションから、19世紀末のフェルナン・クノップフ、ジャン・デルヴィル、ジェームズ・アンソールらから20世紀のポール・デルヴォールネ・マグリットまでの油彩、素描、版画などにより構成され、まれにみる濃密な展開を示したベルギー近代美術のハイライトを紹介します。(公式サイトより)

連休に相方さんと渋谷bunkamuraでやっている『ベルギー幻想美術館』を観に行ってきました。
お目当ては昔から結構好きだったポール・デルヴォーの作品。有名な《海は近い》もよかったですが、ストーリー仕立てになった連作リトグラフの展示も面白かった。それにしてもデルヴォーは女性に対する"昇華され美化されたあげく様式化された欲望”があからさまで、オレはその一見優雅で美しく見えつつも実ははひどく歪んだフォルムと画面構成のマニエリスムぶりが楽しかったりするんですね。今で言うと萌え絵で描かれる女子の巨大すぎる瞳や巨大すぎる乳房なんかがこれに当たるんじゃないかと思います。ですからデルヴォーの絵って勿体ぶって描かれた萌え絵なんですな実は。一緒に行った相方さんは逆にそういう歪み振りがキモチワルイ、と言ってあまりお気に召さないようでした。
またシュールリアリズム絵画のルネ・マグリットの作品が相当数あり、これもまあマグリット作品によくあるモチーフを繰り返したものばかりとはいえ楽しんで見られました。ただ全体的に薄味の展示だったような気がするなあ。帰りは相方さんがミュージアム・ショップにあった名画を3Dで見せるステレオグラスをいたく気に入ってしまい、山のように大人買いしておりました。

フェリシアン・ロップス《スフィンクス》、《生贄》

■ウィリアム・ドグーヴ・ド・ヌンク《夜の中庭をあるいは陰謀》

フェルナン・クノップフヴェネツィアの思い出》、※《見捨てられた街》

出展されていませんがクノップフは《見捨てられた街》という絵が好きですな。

ルネ・マグリット《ジョルジェット》、クノック市営カジノの「シャンデリアの間」の壁画

ポール・デルヴォー《海は近い》

■ベルギー幻想美術館

渋谷Bunkamuraザ・ミュージアムで10月25日まで
http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/09_belgium/index.html