最近聴いたCD / レゲエにダブにダブ・ステップ

■Reggae Anthology - Joe Gibbs: Scorchers From The Early Years (1967-73) / V.A.

Scorchers From the Early Years 1967-73 (Bril)

Scorchers From the Early Years 1967-73 (Bril)

去年よく聴いたレゲエ・アルバムはワッキーズもの、デニス・ボーヴェル、そしてこのジョー・ギブス関連だったな。ジョー・ギブスは70〜80年代に大活躍したジャマイカの名レゲエ・プロデューサーであったが去年他界。そしてそのギブスの足跡を記したコンピレーションが多数リリースされたけれど、このアルバムはギブス20代最初期ともいえる60年代末〜70年代初期の音源をCD2枚組全40曲ドドド〜ンと収録。プロデュースにリー・ペリーやナイニー・ジ・オブザーヴァーらも参加しているとか。音的にはロック・ステディ〜アーリー・レゲエの甘酸っぱい懐かしいサウンドです。

■Return from Planet Dub / Dubblestandart, Lee "Scratch" Perry & Ari Up

Return From Planet Dub

Return From Planet Dub

このDUBBLESTANDART、オーストリアのダブ・バンドということらしいが名前を聞いたのは初めて。その彼らにリー・ペリー大統領と80年代女性ポストパンク・ダブ・グループ「スリッツ」のリーダーでありエイドリアン・シャーウッドとも親交が深かったアリ・アップ嬢が絡んで完成したのがこのアルバムである。そして何故かデビッド・リンチまでが語りで1曲参加している。そしてその音はヨーロピアン・ダブらしいダークでウェット、メタリックでソリッドな実に先鋭的なサウンドとして仕上がっているのだ。これはかっこいいぞ。ジャマイカン・ダブの苦手な人でも聴けるんじゃないかな。 試聴 

■Dubsetter / Lee "Scratch" Perry & Adrian Sherwood

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リー・ペリーエイドリアン・シャーウッドがタッグを組んで作られたダブ・アルバム。もともとはこのタッグによるアルバム『The Mighty Upsetter』をダブ化したものなんだが、オリジナル音源のトラックを抜き差しエフェクターを掛ける通常のダブの手法でつくられたものではなく、新たにミュージシャンを集めて様々な楽器パートを加えられた、いわゆる"別バージョン"的な体裁になっているのらしい。実はオリジナルを聴いてないので実際どこまでミックスの変化があるのかは分からないんだが。ただ、楽曲的にはリー・ペリーがこれまでリリースしてきた音源の幾つかを再構成しエイドリアン・シャーウッドとリ・プロデュースしたという形になっており、あ、この曲は…などとあれこれ思い出させるのが楽しかった。 試聴 

■Tectonic Plates Vol 2 / V.A.

Tectonic Plates 2

Tectonic Plates 2

ダブ・ステップDJ、Pinchの主催する『Tectonic』レーベルからリリースされたダブ・ステップ・コンピレーション2枚組。1枚がノンミックス、もう一枚はミックスもの。『Tectonic』はイギリス・ブリストルを拠点とするレーベルだが、ブリストルといえばこれまでマッシヴ・アタック、トリッキィー、ポーティスヘッドなど、暗く重くどんよりとした、トリップ・ホップと呼ばれるジャンルの音を出すバンドを多く輩出した土地。それだけに、このアルバム『Tectonic Plates Vol 2』からもダークでメロウなダブ・ステップの音が響いてくる。本家であるダブ・ミュージックのような破壊力は無いにしろ、ひんやりとしたその音は奇妙な鎮静効果を持っている。 試聴