Yes / Pet Shop Boys

イエス

イエス

1986年発売のデビュー・アルバム『Please』以来ずぅ〜〜っとオレのお気に入りであるペット・ショップ・ボーイズの新作『Yes』、早速買ってきてずっと聴いている。もう20年もファンやってるのかオレ。今でも「West End Girls」とか「Paninaro」とか聴くと鳥肌立つもんなあ。多くは書かないがPSBと、あとニュー・オーダーあたりは、20代の頃のオレのメンタリティの相当の部分を支配していたバンド・ユニットだった。言うなればオレの20代の頃の高揚と憂鬱は、そして若気の至りの虚無感は、殆どPSBとニュー・オーダーの曲の中に体現されていた気さえする。
さてPSBの新作に話を戻すと、このアルバム『Yes』は日本では初回限定生産の2枚組も出ており、これは2枚目にオリジナル曲のリミックス・バージョンが収められている。オリジナル・アルバムとしては2006年発売の前作『Fundamental』から3年振りのアルバムとなるらしいが、『Fundamental』が割とヘヴィーで暗めな展開だったのに対し、この『Yes』は明るく軽やかな曲調のものが多い。アルバムとしては1990年発売の『Behaviour』と雰囲気が似ているが、あれほどメランコリックではない。PSBの面々もデビューしてから30年弱経っているから、2002年発売の『Release』あたりから随分と枯れたエレ・ポップ・バンドとして侘び寂びなポップ・ソングをリリースしているけど、クオリティは相変わらず滅茶苦茶高い。最近リリースされたアルバムの中では段違いに良く出来たアルバムだと思う。
シングル・カットされた1曲目の「Love etc.」はトン・タカ・トン・タカいうリズムが可愛らしい曲。PSBの初期ヒット曲「Opportunities (Let's Make Lots of Money)」は「俺には頭脳があり、お前にはルックスがある、さあたっぷり金を儲けようぜ」という歌詞の歌だったけど、この曲では「金持ちにもスターにもならなくていい、君にはもっと必要なものがある」と歌われる。あー、やっぱり齢とって枯れてきてるよなあ。
ギターに元ザ・スミスジョニー・マーが参加した3曲目「Did You See Me Coming?」は多分次のシングル・カットになるんじゃないかと思わせるような明るく軽やかでハッピーな曲。そして切なくてロマンチック。ああ、ポップ・ソングってこういうのを言うんだろ。サビは「僕がその気になるのがわかってたの?」って歌われるけど、おいおい、なんだこの初々しい感情は。8曲目「King Of Rome」はアルバム『Behaviour』の「My October Symphony」を髣髴させる淡々としているがどこか力強く美しい曲。なんってんですかねえ、流れる雲を見ているような、そんな気分になる曲でありますよ。
そんなこんなで、リミックス・バージョンCD、さらに「Love etc.」のリミックス曲入りシングルなどをかっちり取り揃えてPSBしまくっている毎日であります。
試聴

Pet Shop Boys - Love Etc. (HD)

http://www.youtube.com/watch?v=InBiaRBUjUs:MOVIE

Love etc

Love etc

Love etc

Love etc