ゴジラの外伝的ドラマ『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』を観た

モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ (AppleTV+ドラマ)(監督:マット・シャックマン 2023年アメリカ製作)

モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』はハリウッド版ゴジラを中心とした怪獣たちの戦いを描く「モンスター・ヴァース」フランチャイズ作品で、怪獣調査を目的とする秘密組織モナークの発足とその活動を描いたドラマとして構成されている。全10話。物語はゴジラに蹂躙された2015年のサンフランシスコと、ゴジラが発見された1952年のフィリピンの二つの時間軸を行き来しながら、その中で引き裂かれたある家族の再生を中心に据えながら進行してゆく。

「モンスター・ヴァース」シリーズはなんとなく全部観ているが『キングコング:髑髏島の巨神』以外イマイチで、実はそれほど好きではない。怪獣が暴れる姿は目を奪うが、人間ドラマがポンコツで、観ていられないのだ。その映画版ではお座なりだった人間ドラマをドラマ版ではどう補うのかという興味で視聴してみた。結論としては、人間ドラマとしての目の付け所は良かったが、10話まで引き延ばすような内容とは言い難く、1話目と10話目があれば十分のように感じてしまった。

まずモナークの存在が曖昧で、ここでは陰で暗躍する謎の秘密組織のような描かれ方だが、基本は怪獣に対する科学研究なのだから、スパイ組織みたいに「暗躍」しなくていいじゃないかと思えてしまう。しかも微妙に予算が少なそうな部分に変なセコさを感じさせる。主人公となるのはモナークの「怪獣博士」の二人の子供とその友人だが、家族のゴタゴタ描写は悪くはないにせよこれも引っ張り過ぎで途中で飽きる。「その友人」の”謎の行動”も余計に感じた。ゴジラをはじめとする怪獣の登場はほんのちょっとしかないが、この点は特に不満はなかった。

それよりも主人公をはじめとする配役の多くが日本人または日系人で占められており、これは見所に感じた。世界に誇る日本の大怪獣ゴジラの物語だから大いに日本へのリスペクトで製作されているということなのだろうが、それよりもハリウッド抜擢の日本人俳優の誰もが新鮮で、日本の制作だとこうはいかなかっただろうと思わされるのだ。その中で一人大いに張り切るカート・ラッセルが実にイイ味を出していた。


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