ちょっとハロウィンっぽく最近ダラ観したDVDやら配信やら

『ハロウィン・キラー!』

ハロウィン・キラー!(Amazon Prime Video映画)(監督 ナーナチカ・カーン 2023年アメリカ映画)

ハロウィンの夜に起きる連続殺人を止めるため、主人公となる女子高生が過去にタイムトラベルしちゃう!?というお話なんですが、これ、とっても面白いです!他所の映画サイトでも書かれていますが、『ハロウィン』と『バック・トゥ・ザ・フューチャー』と『スクリーム』が悪魔合体したような作品で、そこにさらに『ハッピー・デス・デイ』のコミカルなノリが持ち込まれているんですね。つまり青春+SF+シリアルキラー+犯人捜しミステリ+コメディというテンコ盛りな嬉しい作品なんですよ。主人公が過去で若かりし頃の両親に出会っちゃったり、80年代の古臭い決まり事に主人公がいちいち「PC的にありえない!」と怒ってみせたり、タイムトラベルした80年代アメリカのダサ懐かしい風俗や、流れる音楽も80年代ロックって部分も楽しかったな。ただしちょっとした時間改変はありますが、タイムパラドクスの扱いは殆ど無いと言っていいでしょう。現在と過去の両方でドラマが進行するのも物語を盛り上げていました。

ホーンテッドマンション (監督:ジャスティン・シミエン 2023年アメリカ映画)

お化けだらけの屋敷に住む羽目になった家族と怪奇現象エキスパートたちがお化け退治に奔走するというコメディ作品。ディズニーランドのアトラクション『ホーンテッドマンション』の実写映画化で、さらにエディ・マーフィー主演で2003年に映画化された作品のリブート版です。幽霊屋敷が舞台ですがそこはディズニー、内容的には勇気とか希望とか家族愛をテーマにした低年齢層・ファミリー向けのものになっています。だからオレの如きヒネクレ老人には他愛なく感じたし後半は退屈だったんですが、ネオンライトの様に闇に浮かびフワフワと宙を舞うお化けたちのCGIはファンタジックな楽しさがありました。

ウェアウルフ・バイ・ナイト カラー版 (Disney+映画) (監督:マイケル・ジアッキノ 2023年アメリカ映画)

2022年にDisney+のハロウィーンスペシャルで配信されたモノクロ作品『マーベル・スタジオ スペシャル・プレゼンテーション:ウェアウルフ・バイ・ナイト』を2023年にカラー化した作品です。物語はモンスターハンターたちが新たな指導者を決定するため血みどろの戦いを始めるといったものですが、1930年代〜1940年代のユニバーサル・ホラー映画を思わせるレトロ感が実にイイ雰囲気を醸し出しているんですね。またカラー化にしてもモノクロ映像に彩色したものらしく、これがまた大昔の映画を思わせる滲んだ色彩で深い味わいを生んでいました。なによりよかったのは54分でサクッと終わるところ、マーベル作品ではありますがMCUと(今の所)関係ない所でしょうか。

ゼイ・クローン・タイローン 〜俺たちクローン?〜(Netflix映画) (監督:ジュエル・テイラー 2023年アメリカ映画)

アメリカの架空の街を舞台に、スラムに住まう黒人たちが政府の秘密の陰謀に巻き込まれる、というSFコメディー作品です。特色となるのは主人公となるのがヤクの売人とポン引きと娼婦という底辺社会の住人たちであり、そのブラックスプロイテーション映画的な雰囲気なんですよ。とんでもない危機に巻き込まれているにもかかわらず主人公3人は終始ワアワアキャアキャアとドタバタを演じ、タフでファンキーなジョークが飛び出し、かと思えば怖気づいてケツまくって逃げ出したりするんですね。なにしろ会話が最高に面白い作品なんですが、ポンポン飛び出す映画ネタには観ていてニンマリさせられるでしょう。ジョン・ボイエガ、テヨナ・パリス、ジェイミー・フォックスキーファー・サザーランドといった出演陣の演技も見所でしょう。

夜のとばりの物語~醒めない夢~ (監督:ミシェル・オスロ 2012年フランス映画)

ミシェル・オスロのアニメ作品は全部観ていた筈なんですが、この作品だけ取りこぼしていたようで慌ててレンタルして観ました。『夜のとばりの物語』の続編で、『夜のとばりの物語』同様5つの美しい御伽噺が物語られ、内容的にも同じような高いクオリティを誇っています。オスロ・アニメにハズレはありません。とまあなかなか満足したのですが、観た後ふと棚を見たらこの作品のBlu-rayがあり、「え、オレこれ観てて単に忘れてただけじゃん……」と愕然としました。いやまあ同じような御伽噺アニメだったから観たかどうか分かんなかったんだよう。

穴 (監督:ジャック・ベッケル 1960年フランス映画)

1960年にフランスで公開されたモノクロ映画『穴』はパリの14区にあるサンテ刑務所で、1947年に実際に起きた脱獄事件を描いたという作品です。タイトルが『穴』というぐらいですから、6人の受刑者が獄舎の床から穴を掘り続け脱獄しようとする物語になっています。実は刑務所の底には地下道が通っており、ここを抜けられれば娑婆に出られるわけですよ。フランスには大昔から多数の地下道が存在していて、これがあったからこその計画なのでしょう。深夜ともなると地下へ降り、泥だらけになって穴を掘り続ける受刑者たち。非常にシンプルな物語ですが、監視を逃れての緊張案溢れる計画、当時の刑務所風俗、6人の千差万別の登場人物など、見所のある映画でした。