『ヴァチカンのエクソシスト』など最近ダラ観したDVDやら配信やら

『ヴァチカンのエクソシスト

ヴァチカンのエクソシスト (監督:ジュリアス・エイバリー 2023年アメリカ・イギリス・スペイン映画)

カトリック教会の総本山ヴァチカンの教皇に仕え、生涯で数万回の悪魔払いを行った実在のエクソシスト、ガブリエーレ・アモルト回顧録エクソシストは語る』の映画化作品。物語はスペインに越してきたある家族の少年に憑りついた悪魔と主人公神父とが死闘を繰り広げるというもので、これが実に面白かった。ラッセル・クロウ演じる神父の熊みたいな巨躯がなにしろ頼りがいがあっていいし、最初は頼りなかった地元神父とのコンビネーションもバディ・ムービーしていて楽しい。そんな彼らが様々な悪魔の奸計をものともせず、果敢に切り込んでゆく様はエキサイティングで小気味いい。元祖となるフリードキン版『エクソシスト』の展開を踏襲しながらも、陰惨さを抑え、派手なVFXと歴史ミステリを交えて独自カラーを打ち出している部分も好印象。演出は力強く撮影も美しく最後まで満足!

マッド・ハイジ (監督:ヨハネス・ハートマン 2022年スイス映画

アルプスの少女ハイジが独裁チーズ国家打倒のために立ち上がり、血塗れの死闘を展開する!?というナンセンス・スプラッタ映画。モチーフの目の付け所は面白いんだけどいかんせん出オチ気味だし、チーズにこだわり過ぎた展開はパンチに乏しく、シナリオや演出はガタガタでギャグは滑りまくりで、観ていて結構辛かったな!とはいえクラファンで製作したというインディーな心意気はとりあえず買っとく!

コカイン・ベア (監督エリザベス・バンクス 2023年アメリカ映画)

麻薬の売人が空から落とした大量のコカインを貪り食い、バッチリキマッた熊が今度は人間たちを貪り食う!?というモンスターパニック映画。キワモノと思いきや無駄によくできたシナリオと無駄に優秀な編集と無駄に完璧な熊CGIにより、想像したよりずっと面白い映画にできていた。単なるモンスターパニックではなく、コカインを巡るチンピラや警官たち、巻き込まれた人たちのドタバタを描くコメディとしての側面のほうが強く、そしてそれが物語をずっと面白いものにしているんだね。

ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!(監督:ジェフ・ロウ 2023年アメリカ映画)

ミュータント・ニンジャ・タートルズって今まで観たことが無かったんだけど、なんでミュータントでニンジャで亀なのか分からなかったっていうのもあるんだよな。しかしこの作品を観て差別的な対象になりやすい有色人種コミュニティにおけるティーンたちのメタファーだったんだとようやく分かった。映画のほうはまず映像表現がアニメ版『スパイダーマン』に匹敵するほど独創的で斬新なのがポイント高い。物語はティーン向けな内容だったのでそれほど興味がそそられなかったが、怪物みたいなミュータントが大挙して登場するのは見ていて楽しかった。

ブルービートル(監督:アンヘル・マヌエル・ソト 2023年アメリカ映画)

DC映画『ブルービートル』観たけどなあ、スパイダーマンでアイアンマンでバットマンデッドプールでヴェノムでその他DCとMCUを混ぜこぜにしてメキシコ風味で仕上げたという既視感塗れのヒーロー像で、そしてテーマが家族の愛とか、退屈こそしなかったんだが陳腐ではあったなあ。ヒロインは良かったんだが。あと主人公わあわあ喚きすぎ。邦画じゃないんだから。これじゃあDVDスルー作品になってしまったのも分からないでもない。