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人間ドックに行ってきた
この間の土曜日は毎年恒例となっている人間ドックに行ってきた。最近ちょっと頭がおかしいので(前からか)今回はオプションで頭部MRIを追加しておいた。おかげで料金がエライことになってしまい(トータル料金で¥44500ですぜ旦那!)、この間有機ELテレビを買っちゃったことも併せ、ただでさえ少ないオレの貯金が瀕死の雄たけびを上げている状態である。まああと暫くしたらオレがアラブの富豪の隠し子だという事が判明するのでちょっとの我慢だ(現実逃避)。
さて今回は「10年以上も人間ドックに通ったオレが明かす『人間ドック10の秘密』」などというタイトルでお送りする本ブログであるが、困ったことにこのタイトルはハッタリである。『10の秘密』とかなんとか書くとはてなブログっぽいから書いただけであり(はてななんぞナメてナンボ)、実のところ内容は秘密でも何でもなく単なるオフザケであるのでまともに受け取ってはイケナイのである。
目次
- 人間ドックに行ってきた
- 目次
- 1.病院着に着替える
- 2.血液検査
- 3.身長・体重・視力・聴力・血圧・体組織検査
- 4.網膜カメラ・眼圧検査
- 5.頭部MRI検査
- 6.腹部エコー検査
- 7.問診
- 8.レントゲン検査
- 9.心電図検査
- 10.バリウム検査
- 最後に
- おまけ
1.病院着に着替える
さてこの日は朝8時に病院に到着、入ると既に結構な人がいて順番を待っていた。受付で問診票と検便を渡し料金を支払いロッカーで人間ドック用の病院着に着替える。この病院着というやつが薄黄緑色した超絶ダサい格好のものなのだが、このダサい格好をすることにより全てのヤル気を削ぎ「もうどうにでもしてください」と心理的に全権委任してしまう効果があるのである。この病院着に着替えた途端人は子羊のように大人しくなりただ粛々と検査を受ける体勢に入るのだ。
2.血液検査
注射針をぶっ刺され血液サンプルを何本も取られてしまう血液検査である。とはいえオレはあまり嫌いじゃなく、以前注射針から管を通ってアンプルに流れ出す自分の血をジットリと眺めていたら看護婦さんから「見ていて大丈夫なんですか?」と慄かれてしまった。相当珍しいヤツに見えたのらしい。ところでこの血液検査、血液成分によって様々な人体の状態を診るだけではなく、「物体X」かどうかを密かに診断しているのである。なので「物体X」の人は注意が必要だ。
3.身長・体重・視力・聴力・血圧・体組織検査
この辺りは検査される対象の基本的な人体構成を診る検査である。ただし一般的な人間、すなわちホモ・サピエンス限定であり、身長40メートル・体重35000トンのウルトラマンは残念ながら病院に計測機器が存在しないため、人間ドックを受けることはできない。また、視力と聴力があまりにスーパー過ぎるスーパーマンも受けても意味がない。体組織に関してはファンタスティック・フォーのザ・シングが計測しても「あなたは岩ですね」と言われるだけなのでやはり意味がない。
4.網膜カメラ・眼圧検査
眼に光を当てたり風を当てたりする検査である。これは目をぱっちり開いたまま強い光や強い風圧にどれだけ耐えられるか!?という根性を判断する検査である。最強の根性を持った者には後で「目力チャンピオン」のベルトが授与されるらしい。もちろん全てデタラメであり、眼の状態や動脈硬化も診断できるのらしい。
5.頭部MRI検査
初体験の頭部MRI検査である。仕組みはわからないがなにやら超強力な磁力を照射して脳血管の状態を診るのらしい。しかし超強力な磁力を脳に当てて大丈夫なのか、とオレは思ったのである。レムのSF小説『インヴィンシブル(砂漠の惑星)』では異星の機械生命に超磁力を当てられ人間が痴呆になってしまうのだ。脳の電気信号がリセットされるのらしい。とはいえ実際そんなことがあるわけはなく、逆にピップエレキバンを使用したかの如くかえって健康になったりするかもしれない(論証無し)。
頭部MRIの検査時間は30分ほど。細長い寝台に寝かされ頭を固定され、さらに顔の上にドーム状の覆い被せられ、気分は鉄仮面の騎士である。MRIに金属は厳禁だが。その状態で頭からドーナツ型の機械に挿入されるのだが、なんかもうSFチックでゾクゾクモノであった。検査中は相当うるさい音がすると技師の方に言われ耳栓を貰ったのだが、実際響いてきたのは断続的に続きながら次第に変化してゆく強い電子音だった。ああこれは聴いたことがある、テクノの音だ!と思ったとたん次第に楽しくなり、響き渡る電子音に自分でリズムを付け曲作りをしていたオレであった。なんなんだオレは。
6.腹部エコー検査
エコー検査である。お腹に「ヤッホー」と言ったらちゃんと「ヤッホー」と返ってくるか、そしてその「ヤッホー」の強弱、声の調子で臓器の状態を診る検査である。ごくまれに「ヨーレイホー」と返ってくることもあるらしいが、これはこれまで数例しか発見されていない希少な事例であり、学会に発表が必要である。もちろん全てクソつまらないデタラメであり、腹部に強い周波数の超音波を当てて様々な臓器の状態を診る検査である。
7.問診
胸やお腹や背中に聴診器を当てられナニカを診られる検査である。そして医者から「最近気になるところはありますか?」などと体調を聞かれたりする。ただしごくまれに「スペインの雨は……」と問いかけられることがあるのだが、この時「主に平地に降る」と答えられなければレジスタンス仲間ではないことが発覚し表に連れ出され処刑されるので要注意である。
8.レントゲン検査
当然寄生獣かどうかを発見するために行われる検査である。
9.心電図検査
以下の動画は今回計ったオレの心音である。途中時計の音やレジの音や妖しい笑い声などの雑音が入っており、ちょっとヤバイんじゃないと思っている。どのくらいヤバイかというともはや『狂気』に近いくらいヤバイ。
10.バリウム検査
ゲップの出そうな発泡剤を飲まされ、その後水で溶いた粘土みたいなバリウムを飲まされ、その挙句グルグル回る台に寝せられて「あっち向け!」「こっち向け!」「赤巻紙黄巻紙って言ってみろ!」などとあれこれ注文を付けられるという、これを開発したのはナチのメンゲレなんじゃないかとさえ思わせるサディスティックな検査である。とはいえこの検査、実は宇宙飛行士の特性を見極めるための検査であり、高加速状態の宇宙船内や無重力の宇宙空間でゲロを吐かないかどうかがテストされているのである。ただしこれでパスしても宇宙飛行士になれるわけではなく、単に「宇宙空間でゲロを吐かない人」という認定がされるだけである。
さてバリウムを飲んだ後に問題となるのが「バリウムうんち」である。面妖なる白いうんちが出てくるのである。かつてSF作家・星新一はこの白いバリウムうんちを大変珍しく思い、「黄色い絵の具を塗って棚の上にでも飾っておきたい」と語ったという逸話が残されている。
最後に
そんなこんなで人間ドックを終えたオレであるが、結果は4週間ほど先になるのらしい。ああ……なんか嫌な結果が出てないだろうな……それより先に病院から緊急連絡とかあったらどうしよう……などと戦々恐々としているオレである。なにしろオレは失われたアトランティス文明の守り人であり、オレに何かあったら「寝ずの番」の後任者を探さなければならないからなのである。
おまけ
検査後病院から出された昼食と病院から見下ろした街の風景。