おデブになったドニーさんが大活躍する『燃えよデブゴン TOKYO MISSION』はこれぞお正月映画!だった!

燃えよデブゴン TOKYO MISSION (監督:谷垣健治 2020年香港映画) 

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『イップ・マン』シリーズ、さらにはハリウッド映画『トリプルX』『ローグ・ワン スターウォーズ・ストーリー』で洋の東西を問わず超大人気の香港アクション・スター、ドニー・イェンが次に挑戦するのは「おデブ・アクション」だったッ!?という映画『燃えよデブゴン TOKYO MISSION』であります。

主人公は香港の熱血刑事ファーロン(ドニーさん)、彼は熱血過ぎてあちこちで物損しまくり、左遷されるわ婚約者に振られるわ、そのストレスで激太りしてしまいます。そんなファーロンに強盗事件犯人を日本に送還するミッションが課せられますが、日本ではその強盗犯をめぐりヤクザ組織が暗躍しそれに警察までが結託し、ファーロンは持ち前の正義感が大爆発!果たして彼は事件を解決できるのか!?

オレは香港カンフー映画の事はまるでよく分かってないんですが、この『燃えよデブゴン TOKYO MISSION』が1978年香港製作のサモ・ハン・キンポー主演・監督作品『燃えよデブゴン』繋がりの作品なんだろうなーというぐらいはなんとなく理解していました。原題『Enter The Fat Dragon』も一緒だしね(とはいえ観ていないんですけどね)。

しかしこちら『TOKYO MISSION』を観てみると、驚くほどブルース・リー・オマージュの炸裂した作品で、それが観ていて心地よかったですね。なにより事ある毎に『ドラゴンへの道』のテーマソングは流れるし、「ヒーローがよその国に行って中華料理屋を助ける」といったプロットが『ドラゴンへの道』だし、そもそもドニーさんが徹頭徹尾ブルース・リーに成り切っていて、そのブルース・リー愛の深さ濃さが、映画を2倍楽しいものにしているのですよ!

なんと言っても見所はドニーさんのアクション!今回のドニーさん、デブなのによく動く!デブなのにキレッキレ!デブになったから体が重くて、なんていう描写は一切無し!どんなに肥満体メイクしててもドニーさんの強力さは変わらない!蝶のように舞い蜂のように刺すデブ!このギャップの面白さがまさに『燃えよデブゴン』たる所以なのでしょう!「宇宙最強の男」と呼ばれるドニーさんですが、遂に「宇宙最強のデブ」の異名も踏襲したというわけです!

物語それ自体はちょっと定番すぎる上になんだかフラフラしており、思い付きでプロットがつぎはぎされた感じは否めません。多くのキャラは判で押したような役割で人間味に乏しく、物語進行に奉仕するためのみに存在しているように感じます。しかーし!ひとたびドニーさんのアクションが炸裂すると、そんなことは全く気にならない、逆に人物が背景になるほどアクションが際立つ作りなんです。四の五の言わずアクションを楽しんでくれ!というのがこの映画なんですね。

楽しかったのはやはり日本の東京が舞台だ、という点でしょう。築地の魚市場、新宿の飲食店街、さらには東京タワーまでが舞台となり、そこでドニーアクションが縦横無尽に爆発するので楽しいったらありません!しかも新宿の飲食店街は1億円も掛けたという豪華オールセット、非常によく出来ているのには感嘆させられますが、よく見ると「?」な看板があったり「??」な居酒屋があったりするのもまたご愛敬!

さらに東京タワー高層部はセットとCGで作られたそうですが、こんな場所で展開する壮絶なアクションがまた大興奮に次ぐ大興奮、高所恐怖症的なスリルも加味されてとことん斬新、こんなの日本映画ですら見られないんではないでしょうか(あったらゴメン)!?これらの舞台でドニーさんが上下左右立体的なアクションが繰り広げる様は興奮の極み、それに加えてブルース・リーが憑依したかの如きアクションまで見せるのですからもう歓天喜地、天に向かって歓び地に向かって喜ぶが如きであると言っていいでしょう!コメディ要素もたっぷりで、これぞザ・正月映画と言った貫録の映画でした! 

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