最近読んだコミックあれこれ

■モンストレス(1)(2)/マージョリーリュウ (著)、サナ・タケダ (イラスト) 

モンストレス vol.1: AWAKENING (G-NOVELS)

モンストレス vol.1: AWAKENING (G-NOVELS)

 
モンストレス vol.2: THE BLOOD (G-NOVELS)

モンストレス vol.2: THE BLOOD (G-NOVELS)

 

アールデコ調の美とスチームパンク・ホラーの融合した異世界」というアメコミ作品『モンストレス』。「2年連続アイズナー賞候補、2017年ヒューゴー賞「ベスト・グラフィック・ストーリー」部門、2017年英国幻想文学大賞「コミック・グラフィックノベル」部門を受賞」という海外では高評価のコミックであり、さらに「イラストは日本人女性」だというからこれは興味が湧いて読んでみた。「美」や「異世界」とはいえ物語られる世界観は熾烈なダーク・ファンタジーであり、油断していると肝を冷やされる。時折可愛らしい猫キャラが出てきて和ませるが、やはり基本は決して甘くない物語だ。ストーリー自体は米国人によるものだが、気のせいか要所要所に『ナウシカ』や『アキラ』のモチーフを見て取ってしまう。原作・画とも女性陣タッグであり、主要登場人物が女性で占められていることからフェミニズム的展開も見え隠れする。こういった部分で従来的なアメコミ作品より抜きんでた部分が存在する作品だということができるだろう。

ベルセルク(40)/三浦建太郎

ベルセルク 40 (ヤングアニマルコミックス)

ベルセルク 40 (ヤングアニマルコミックス)

 

ベルセルクの40巻が遂に発売である。待たされたなあ。作者ちゃんと息してたんだなあ。そしてこの巻のキモはキャスカ復活! である。いやあこれも長かったなあ。ってか一応物語進んでるんだなあ。そしてグリフィス側の展開はますます無敵というか神懸り状態でありもはや訳分かんないぐらい強力強大化してるんだが、これとガッツ本当に戦うの?

■GIGANT(ギガント)(2)/奥浩哉

GIGANT(2) (ビッグコミックス)

GIGANT(2) (ビッグコミックス)

 

奥浩哉の『ギガント』第2巻読んだけど、これスゲエ…もう2巻にして奥浩哉の最高傑作確定だし、今年度最高最低のSFコミックだと断定していいし、ひょっとして21世紀の日本漫画史に残るかもしれんわコレ…いやもう唖然とする程アホい、そしてエロい、だいたいなんだあの2巻クライマックスの展開は!?馬鹿なの死ぬの!?なにしろこの作品のスゴイ所は、これまで奥浩哉って『ガンツ』も『いぬやしき』も映像化されてきたけど、この作品に関しては映像化不可能、というか普通に成人指定にしかなりようがない、という部分だな! 次巻も期待!

■ジャバウォッキー1914(4)/久 正人

ジャバウォッキー1914(4)(完) (シリウスKC)

ジャバウォッキー1914(4)(完) (シリウスKC)

 

あれ、『ジャバウィッキー1914』これで最終巻なの?もう終わっちゃうの?ってか4巻でお話畳めるの?と思って読んでたらこれが端折ることも省力することも無くページというページを余すことなく使った見事な大団円で、しかも前作『ジャバウィッキー』ときちんと話が繋がっており、作者としては最初から意図していたのかもっと続けたかったかは分からないけれど、実に見事な幕切れだった。久正人サン感動ヲアリガトウ。

■カムヤライド(1)/久 正人

カムヤライド 1 (乱コミックス)

カムヤライド 1 (乱コミックス)

 

その久正人の新作は太古の日本を舞台にした変身ヒーローvs怪獣との戦いというんだからもう作者狙ってき過ぎだ。ただこれまでの久正人作品は恐竜やUMA、妖怪や神話伝承への作者の濃いい偏愛が横溢していた部分で楽しめたが、この作品では日本書紀的な世界観よりも変身ヒーローありきの展開であり、ちょっとこれまでより軽く感じるんだよなあ。あとなぜにBL展開?まあこれはこれでいいけど。

■レイリ(5)/室井大資(絵)、岩明均(原作)

こんにちは、日本の歴史にとても疎いオレです、今日もヨロシク。さて「少女影武者」であり「凄腕の少女剣客」を主人公として描くこの物語、段々と戦国日本の影の歴史の中に組み込まれゆく展開がとても面白い。日本の歴史よくわかんないけど。そしてこの5巻なんだが、以前『水曜どうでしょう』の「試験に出るどうでしょう日本史」で触れられていたエピソードや、以前相方さんと見に行った事のある”天空の城”竹田城跡の、その竹田城の建設が始まるエピソードが盛り込まれていてオレの中で何かがいろいろ繋がった。日本史勉強しなければ……。 

ドリフターズ(6)/平野耕太

ドリフターズ 6 (ヤングキングコミックス)

ドリフターズ 6 (ヤングキングコミックス)

 

遂に漂流者(ドリフターズ)軍と黒王軍との戦いの火蓋が切って落とされる!物語始まって以来の大戦争だ!雲霞のように攻め入る黒王軍!知略を尽くして応戦する漂流者軍!紙面を埋め尽くす無数の兵隊たちのぶつかり合い!火炎、爆発、爆炎、地響き、咆哮と絶叫、鬨の声と哄笑、辺りを埋め尽くす死体と死、そして何より平野耕太漫画の十八番となる狂い切ったキャラと狂い切った啖呵の応酬!乗りに乗った平野節が紅蓮たる狂気でもって炸裂するのだ!『ドリフターズ』はここに到達するためにこれまで描かれてきた!あああ!!楽しいのう、楽しいのう!!

聖☆おにいさん(16)/中村 光

聖☆おにいさん(16) (モーニング KC)

聖☆おにいさん(16) (モーニング KC)

 

毎回毎回書いてるんだけど、この『聖☆おにいさん』、今回でもう16巻ともなるのに、ネタが全く尽きない!「このネタまだ出て無かったのか!?」と驚愕すらさせられる。ことこの作品に関しては作者天才だわ。仏陀とイエスの聖人二人組の主人公なんだが、彼らにまつわるエピソード自体があまりに膨大だからというのもあるかもしれないが、例えば一度出たことのあるネタでもアプローチの仕方で新しい(もしくは馴染み深い)笑いを提供してくれる。いやーホント毎回楽しいな。

ヴィンランド・サガ(21)/幸村 誠 

ヴィンランド・サガ(21) (アフタヌーンKC)

ヴィンランド・サガ(21) (アフタヌーンKC)

 

これも毎度毎度書いてるんだが、このコミックのお話の最初の方まるで忘れていて、思い出すことも無く続きを読んでいるので、実は毎回毎回何が起こっているのかさっぱり分かっていない……そしてこのコミック自体8月に読んだから内容すっかり忘れている……いいのかオレ……。