■バーフバリ 王の凱旋 (監督:S.S.ラージャマウリ 2017年インド映画)
バーフバリ!バーフバリ!
バーフバリ!バーフバリ!
王を称えよ!!
新年早々日本全国津々浦々で異様な盛り上がりを見せているインドの歴史ファンタジー大作、『バーフバリ 王の凱歌』です。
物語は古代インドにおける架空の王朝・マヒシュマティ王国を舞台にした3代に渡る王位継承権闘争を描くものなんですね。この作品は2部作になっており、『王の凱旋』はその完結編です。前作は『バーフバリ 伝説誕生』というタイトルで日本でも劇場公開&ソフト化されていますから、今からでも遅くない!これもまたとんでもない映画だから観るがいいさ!
とはいえ、映画『王の凱旋』冒頭では【前作のあらすじ】をざっと遡ってくれるので、『伝説誕生』を観ていなくてもそれほど問題ありません。前作の感想と監督であるS.S.ラージャマウリについては拙ブログのこちらのエントリにまとめてありますのでよろしければドウゾ。
という訳で完結編『王の凱旋』なんですが。
いやあ、全方位的にとんでもねえ映画だったなあ!!!!
もうあれこれとことんとんでもなさすぎて、ちまちま言葉で言い表してゆくのが無意味のような気がするほどとんでない映画です。この『王の凱歌』を映画ファン的に評するならば「『ロード・オブ・ザ・リング』を『マッドマックス 怒りのデスロード』テイストで描いたインド映画」 と言い表すのが一番分かり易いかもしれません。『LOTR』の壮大なファンタジー世界を『MMFR』の暴発寸前の熱狂と興奮で描き、そこにスパイシーなガラムマサラをふんだんにぶち込んで芳醇な味と香りと脳天にキリキリ来る辛さを醸し出した映画だということです。
ですから『LOTR』と『MMFR』どちらか、ないしは両方のファンであるなら、これは必見の作品であり、もちろん両方に興味の無い方ですら見逃したら一生後悔するであろう名作であることを肝に銘じるべきなのです。
しかし「とんでもねえとんでもねえ」ばっかり言ってても何がどうとんでもねえのか伝わらないと思うので、映画『バーフバリ 王の凱旋』の「とんでもねえポイント」を幾つか挙げてみようかと思います。
- 主人公バーフバリが剛力無双過ぎてとんでもねえ……インド叙事詩『マハーバーラタ』を下敷きにしているだけあって殆ど神なんです。
- 基本、矢は3本で射るのがとんでもねえ……しかもそれぞれ別々の敵に当たるのが本当にとんでもねえ。バーフバリとヒロイン・デーヴァセーナがポージング決めながら次々に矢を射るシーンは相当ヤヴァイです。
- ヒロイン・デーヴァセーナがとんでもねえ……パキッと啖呵切る女丈夫なキャラがめっちゃGOOD。
- 山羊(?)の角がとんでもねえ……観れば分かる。
- "炎の着替え"がとんでもねえ……観れば分かる。
- "白鳥の船"がとんでもねえ……観れば分かる。
- 奴隷剣士カッタッパがとんでもねえ……カッタッパのエピソードは号泣必至。
- 国母シヴァガミが目ん玉ひん剥き過ぎてとんでもねえ……多分一回も瞬きしてない。
- 「ヤシの木作戦」がとんでもねえ……観れば分かる。これも相当ヤヴァイ。
- 全篇かっちょいい「決め絵」で彩られた映像がとんでもねえ……まるで歌舞伎の”見得”みたいです。「いよッ、バーフバリ屋!」と掛け声掛けたくなるほど惚れ惚れしちゃいます。
他にも「とんでもねえポイント」は山ほどありますが、全部書くと映画全編書き出さなきゃならなるのでこの辺で。
あれこれ書きましたがこの作品、最も効果を上げているのは音楽の使われ方なんではないかと思いました。陰謀術策渦を巻き、復讐の情念が炎となって燃え上がり、鬼神の如き壮絶な戦いが繰り広げられるこの物語、それだけでも十分に強烈なドラマとして成立していますが、それをさらに心を揺さぶる張り裂けんばかりの情感豊かな物語として完成させたのは、常にヒーローを鼓舞しその心の襞と決意とを歌い上げる、物語の中で連綿と流れ続ける音楽にあったのではないでしょうか。という訳でサントラはこちら!
Bahubali 2 - The Conclusion (Original Motion Picture Soundtrack)
- アーティスト: M. M. Keeravani
- 出版社/メーカー: Manorama Music
- 発売日: 2017/04/23
- メディア: MP3 ダウンロード
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という塩梅で、公開間もないにもかかわらず既に日本全国津々浦々で異様な盛り上がりを見せている『バーフバリ王の凱旋』、もはや今年度のベスト1からベスト10は全てこの映画で構わないような気すらするのだが(どういう計算だ)、白状すると実は去年までオレはこの映画のタイトルをずっと「パーフパリ」だと誤解しており、カッタッパに刺し殺されても文句が言えない状況なのである……。