■ロボコップ (監督:ジョゼ・パジーリャ 2014年アメリカ映画)
■これがロボコップだ!?
■こんなロボコップはイヤだ!
・錆びている。
・ゆるキャラである。
・ゼンマイ駆動で動く。
・ヤンキー。
・草間彌生デザイン。
・Windows搭載。
・武器が金属バット。
・「アイアンマン?」と言われるとキレる。
・股間に秘密のアタッチメントが付く。
・合体して巨大ロボになる。
・意識が高い。
・修理はセメダイン。
・犯人を捕まえるたびにツイッターで報告する。
・バイザー内のモニターでエロ動画を見ている。
・ゼーレの陰謀に加担している。
■オレとロボコップ
オリジナルの『ロボコップ』、実はオレあんまり好きじゃないんですよ。特に一作目、ポール・バーホーベン監督作らしいどんより暗くてドロドロ鬱陶しくてひきつったような皮肉が多い作風がなーんかスカッとしなかったんだよなあ。あとストップモーションで作られた敵ロボットのカクカクした動きと画質の汚さが気に障ったんだよなあ。でも3作目の空飛ぶロボコップは馬鹿馬鹿しくて好きだったりするんですけどね。
ただ、アメリカで『ロボコップ』を上映すると、観客がロボコップ登場シーンに合わせてラジカセでヒップホップを鳴らしまくり、大ロボコップコールが巻き起こるとかいう話を聞いたことがあるんですが、これ一回体験してみたかったなあ。
■リニューアル版ロボコップ
というわけで新生『ロボコップ』、オープニングのテヘラン・シーンは好きでしたね。まんま『メタルギア』の世界だったもんなー。で、今回はそんなロボット・セキュリティ・システムが政治的な理由でアメリカに導入できないんで、代わりに人間駆動のロボット作ってチートしちゃえ、ってなところから始まるんですが、戦争大好き武器大好きでニンテンドー・ウォーの先駆けでもあるアメリカ人が「ロボット兵器ダメ絶対!」なんて言うわけねーだろ?とちょっと思っちゃいましたね。そもそもシナリオが全体的に牽強付会で無理矢理なこじつけが多くて「なんだあ?」と思われるところが多かったですよ。ロボコップが警察システムと連動して登録された極悪人を即座に見つけちゃう、なーんてやってましたが、そういうシステムがそもそもあるわけなんだから別にロボコップじゃなくてもできるじゃん?とかね。
それでもロボコップが大活躍してワルモンを真っ赤なミンチにしまくってくれりゃあそれでもいいやあグヘヘとか言いつつ観てましたけど、今回のロボコップは敵役というか悪徳オムニ社があんまり憎々しく描かれていない、という部分が物足りないんだよなあ。ロボコップ生みの親の天馬博士ことゲイリー・オールドマンはいい味出してたし目立ってたなあ。ただしこれも迷走気味のシナリオのせいで時々性格設定がちぐはぐに感じることがあったけど。あ、敵ロボットはさすがにいい動きしてましたよ。だからここはやっぱり前作ばっかり引き継がないでボスキャラとしてトランスフォーマーみたいな巨大ロボ出してロボコップと死闘を繰り広げ、盛り上げてほしかったですね。そうでもしないと昨今のアメコミ・ヒーロー映画に勝てないんじゃないですかね。
結局今作では「自分は人間だ!ロボットなんかじゃない!」というアイデンティティの問題と、「ほとんど機械になっちゃったけど家族のことは愛してるんだ!」という家族愛のお話をテーマに据えて、「人間性ってナニ?」ということを描きたかったんでしょうけど、アクションとのバランスもあってか掘り下げ不足になっちゃったかな。しかしロボコップって要するにロボ公務員ってことなんですよね。将来的にはロボサラリーマンやロボ社長、ロボ自営業者やロボ専業主婦、ロボ年金生活者やロボニートなどの活躍も描いてほしいですね。そしてそれをロボブロガーやロボツイッタラーらがネットでワイワイ書く、という図式の映画になったら、…うーんやっぱり面白くなさそう…。
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