■インデペンデンス・デイ:リサージェンス (監督:ローランド・エメリッヒ 2016年アメリカ映画)
- でっかいUFOに乗ってやってきたエイリアンが人類に返り討ちに遭った『インデペンデンス・デイ』から20年……またもやあいつらが帰ってきたッ!?もっとでっかいUFOの乗って!?という映画『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』でございます。
- 今回のエイリアンUFO、なにしろデカイ。ひょっとしたら北アメリカ大陸ぐらいはあるんじゃないでしょうか。デカイです。デカ過ぎです。UFOっちゅうよりも殆ど小惑星。ひょっとしたらSF映画に出てきた最も大きな宇宙船になるかもしれなせん。こんなのが襲ってきて人類に助かる術はあるのでしょうか。
- しかし人類も負けてはいません。前回の戦いでエイリアンが残したテクノロジーを研究し、「あいつらぜってーもう一回襲ってくる」と予想して強力な軍備で武装しています。地球のみならず月面にも基地を持ち、さらに土星辺りにも前哨基地を設けているようです。この辺『2001年宇宙の旅』へのオマージュでしょうか。常温核融合炉が当たり前のように使われ、アサルトライフルはゲーム『ヘイロー』に出て来る武器みたいでカッコイイです。
- しかも「打倒エイリアン!」の掛け声のもと、地球は一つにまとまり、どうやら戦争や紛争も無くなってしまっているようにすら思います。「強力な敵の為に地球がひとつにまとまる」って『ウォッチメン』みたいですね。
- この「エイリアン・テクノロジーの転用によって発展した科学技術」と「新たな地球国家の誕生」という設定はSF映画としてとても斬新で面白いです。
- とはいえ作品としては笑えないぐらい大雑把な出来です。「とにかくデカけりゃいいだ!」という大雑把なエイリアンと「今回も根拠希薄な作戦で勝利間違い無し!」という大雑把な人類とが、戦略も戦術もなく大雑把に正面対決するという、とても大雑把なSF映画です。
- この大雑把さはどこかで観たことがあるな……と思ったらあの『アルマゲドン』でした。そう、今回の『インデペ2』は『アルマゲドン』と並び比す、いやあるいはそれ以上の「大雑把SF映画」として歴史に名を残すであろう作品でありましょう。
- まあエメちゃん作品だし、こまけえことはいいんだよッ!!
- それと今作、前作からの登場人物出し過ぎで、それにさらに新キャラ加えてますから人物多くて感情移入なんかしている暇がありません。それによりドラマが薄いんです。ただしこれだけ大人数のキャラを登場させながら全然訳分からなくならないのはさすがハリウッド流シナリオ術の成せる業だと思いました。
- それと今回の戦いの鍵を握るデウスエクスマキナ級のアレもチート過ぎるよなあ。まあ前作の「敵のOSハッキング」も噴飯モノのチートさでしたからそれを律儀に踏襲したとも考えられます(いや、でもこういうのそんなに嫌いじゃないです)。
- 前作は「破壊の快楽」とも呼べるような強大な災厄シーンが見所でしたが、昨今ではCG技術の進歩で映画におけるそんなシーンもそれほど珍しいものではなくなり、どれだけ派手にぶっ壊そうともはや既視感しか感じなくなってしまったのが今作の敗因かもしれません。なんかエメリッヒの『2012』に『カリフォルニア・ダウン』混ぜたみたいなんだもん。それと、人類側の悲壮感とか絶望感も薄かったなあ。
- それにしても超巨大UFOエイリアンと人類との命運を掛けた戦いがたった120分で収められているのには感心しました。戦いだって実質1週間も掛かってないんじゃないのかしらん。これ、どちらも前作よりも短いんじゃない?ゲームなんかもそうですが、チート使うと早く攻略できるということなんですね。まあそのかわり全然面白くありませんが。
http://www.youtube.com/watch?v=QZ9EXYQVMd0:movie:W620
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