どうでしょうとかgleeとかゾンビドラマとか観てた

水曜どうでしょう・72時間!原付東日本縦断ラリー / シェフ大泉夏野菜スペシャ


水曜どうでしょうDVD全集」の16本目は「72時間!原付東日本縦断ラリー」と「シェフ大泉夏野菜スペシャル」のカップリング。いつものように2枚組で収録時間6時間余り、という見応えたっぷりの構成になっています。
なにしろ"どうでしょうDVD"はこの収録時間の長さがいいですね。長いからいい、というんじゃなくて、「どうでしょう」らしいまったりした時間感覚が、あの長さだからこそ伝わってくるんですよね。そして観るほうもまったりですよ。「どうでしょうDVD」って、"一気観!"とか気合の入った見方するもんじゃないんですよ。ごろんと寝転んでだらだら観て時々げらげら笑って、気が付いたらもうDVDも終わってるし陽も暮れてしまって、今日は一日「どうでしょう」観てるだけで終わっちゃったなあ、でも楽しかったしとっても和んだから全然構わないや、なんて晩飯の献立考えながら思える、なんかこう、とっても豊かな時間の過ごし方を感じさせるんですよ。変な例えだけど「どうでしょう」てなんだかお正月みたいだなあ。でもこの例え方で伝わるのかなあ。
ところでDVDの内容のほうですが「72時間!原付東日本縦断ラリー」はいつもあの二人が東京銀座から北海道札幌まで72時間かけてカブで疾走する!という内容で、カブで疾走!とかいいながら渋滞で時速17キロぐらいしか出てなくてリミットまでに札幌着くわけないだろオイ!というスタッフの焦燥振りと慌てふためき振りが楽しい一篇です。「シェフ大泉夏野菜スペシャル」は大泉さんが自慢の料理の腕を振るう…というだけの企画の筈がなぜが収録が数ヶ月に及んでしまった!という前代未聞の一篇。パイ生地を巡る大泉さんのとてつもないブチキレ振りはシリーズでも1、2を争う爆笑モノですよ。ご購入はこちらで。

glee/グリー シーズン1 DVDコレクターズBOX

アメリカ・オハイオ州の高校合唱部(=グリー・クラブ)を舞台に、落ちこぼれ部員たちがチャンスを掴むまでを描く唄あり踊りありの大ヒットTVドラマシリーズです。グリー・クラブの面々は、いかにもアメリカらしいバリバリのスクール・カーストの中で、アメフトやらチアリーダー部やらのジョックス連中から便所虫の如き糞ナードとして苛められまくっているんですね。
しかもグリー・クラブのメンバーって絵に描いたようなマイノリティの吹き溜まりで、そうじゃなかったとしてもどうにも個性が強すぎる性格だったり、一筋縄じゃいかない連中ばかりなんですよね。彼らなりに悩みや問題は抱えているし、クラブは存続の危機を抱えているし、そんな周囲との軋轢も描かれたりはしますが、お話自体は基本的にコメディ・タッチで、爆笑させられることもしばしば、どんな問題も前向きに解決しようとするとても爽やかなドラマなんです。つまりある種の悲惨さを全部笑いに変えているんですよね。しかしこういった底辺から成功への一発逆転ドラマっていうのはアメリカの映画・ドラマではお馴染みのシナリオ・メソッドと言えるんですよね。
そしてこのドラマの素晴らしいのはなんといってもその歌と踊りでしょう。正直これだけ達者で周囲を唸らせる技量があるのなら、爪弾きにされたり苛められたりということは無いんじゃないのかとさえ思えるほどです。
このドラマを観て思ったのは、アメリカという国が擁するショウビズというものの恐るべき層の厚さです。このドラマではありとあらゆる登場人物が歌って踊りますが、その誰もがプロ中のプロと言っていいいパフォーマンスを見せるんです。しかし思うに彼らは決して生え抜きというわけではなく、アメリカショウビズの世界にはこういった人材がきっとゴロゴロしているんでしょうね。
つまりドラマ『glee』は、ハリウッド的シナリオ・メソッドの定番中の定番と、アメリカ・ショウビズがその歴史の中で蓄え培ってきた潤沢な歌曲と人材という資産を組み合わせ、さらにそれを高速で展開するコメディとして濃縮した、いわば組み合わせの妙が新しくそして人気を呼んだドラマだということができるでしょう。

ウォーキング・デッド シーズン1

Walking Dead: Season 1 [Blu-ray] [Import]

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これもアメリカの人気TVシリーズです。ゾンビを題材にしたTVドラマ!というところが既にして凄いですよね。内容的にはゾンビ・ストーリーの常套句的な決まりごとを盛り込んだオーソドクスなものなんですが、これが非常に丁寧に作られているうえにツボを押さえた演出が成されている為、凡百のゾンビ映画の比ではない面白さを醸し出しているんです。これは『ショーシャンクの空に』『ミスト』のフランク・ダラボンが製作総指揮を務めていることが大きいでしょう。シーズン1が全6話というタイトさであることもいいですよね。TVでこんなのやれちゃうんだ、と思ってしまうぐらいきちんとグロいゾンビにも好感が持てますね。手を抜いてないイイ仕事なんですよね。
他のゾンビ物とちょっと違うな、と思ったのは、生き残った人間たちがきちんとしたコミューンを持っているという部分ですね。そしてそこで若干ながら自給自足も出来ているんです。オレどうも終末映画に良くある「スーパーから略奪した缶詰だけ食って生きてる」っていう構図が納得できなくてさあ。どこかで生産性に携わらないと生き残りも先細りしちゃうじゃないですか。そういった部分も含めて「サバイバルする」っていう部分がよく描かれていると思うんですよ。
そして物語では武器が潤沢にあるわけではなくて、その武器の収奪を含めたドラマもちゃんと描かれているんですよね。クライマックスに出てくる"あの施設"の設定も良かったなあ。個人的には森の中のコミューンと都市を行ったり来たりするシナリオとコミューンののんびりした雰囲気がちょっと引っかかりましたが、このへんは6話とはいえ長いドラマを物語るためにはいたし方なかったかな。ところで生き残りの人々には様々なキャラがいますが、実はオレが一番感情移入したのはレッドネックな暴力兄弟でしたね!
日本でTV放送した時に知り合いが録画したDVDを貸していただき、観ることができました。日本版のDVDは2月に発売だそうですね。
ウォーキング・デッド

ウォーキング・デッド