最近読んだコミックあれこれ

GANTZ/OSAKA (1)(2) / 奥浩哉

GANTZ/OSAKA 1 (ヤングジャンプ愛蔵版)

GANTZ/OSAKA 1 (ヤングジャンプ愛蔵版)

GANTZ/OSAKA 2 (ヤングジャンプ愛蔵版)

GANTZ/OSAKA 2 (ヤングジャンプ愛蔵版)

大量殺戮戦闘漫画『GANTZ』の「大阪道頓堀篇」をB5判特装版で3巻分冊により発売したもの。3巻は12月発売。この「大阪道頓堀篇」は現在描かれている『GANTZ』終章(多分)へと続く章であり、ボリューム、迫力と合わせシリーズ中最も大規模な戦闘を描いたものだ。もとから奥浩哉の描く絵は細密かつリアリティ溢れるものだったが、逆にその為、単行本の版型では小さすぎてディテールを楽しめないという欲求不満があり、こうした大型本でのリリースは本当に嬉しい。全体的に加筆修正が入っているらしくまた1巻ではプロローグが新たに書き下ろされている。そして読んでみるとその迫力は単行本の比ではなく、作者が『GANTZ』で描きたかったものへどこまでも肉薄出来、まるで新たな「大阪道頓堀篇」を読んでいるような気にさえさせられる。
圧倒的な構成力で描かれた大阪の町並み、グロテスクなモンスター、精悍なGANTZメンバー、飛び散る血と宙を舞う切り株死体、そしてスピード感溢れる戦闘シーン、どれもこれも新たな発見に満ちている。AMAZONレビューなど読むと「全然変わらない」とか「高い」なんて意見が多くてげんなりするが、あれら評者はいったいどこを読んでいるのだろうかとさえ思う。価格に関してもこの手の大型本にしては努力した値段だし、カバーの無い表紙は確かに寂しいとは思うが、これこそコストダウンのためにされた苦肉の策なのだろう。3巻目の発売が待ち遠しいが、それと合わせ、現在進行形の終章も『GANTZ』完結の暁には是非是非大型本で発売して欲しい!

きのう何食べた? (4) / よしながふみ

きのう何食べた?(4) (モーニング KC)

きのう何食べた?(4) (モーニング KC)

主人公であるゲイのお二人のゲイによる物語は相変わらずどうでもいいのだが、登場する料理はやはりちょっと気になるものばかりだ。いわゆる家庭料理ではあるけれども、そこはゲイらしくあまり所帯じみた雰囲気を出さないところがこの漫画が他の料理漫画と一線を画す部分なのではないか。食材のコストを気にしながら作っているところもなんだか身近に感じて面白い。しかしいつも漫画に登場する料理を作ってみたくはなるけれども、一回も作ったことが無いのはやはり自分が料理不精だからなのだろうなあ。

アオイホノオ (5) / 島本和彦

アオイホノオ 5 (少年サンデーコミックススペシャル)

アオイホノオ 5 (少年サンデーコミックススペシャル)

熱く暑苦しく斜め方向に勘違いしながら焦燥と嫉妬と煩悩の炎に身を焼き尽くされているオタク青年ホノオモユル君のオタク・ストーリー第5弾である。しかしよく思うのだが、"オタク"という言葉にはどことなく蔑視の響きもあるのでもうちょっと的確で愛情のある呼び名が出来てもいいのではないだろうか。ホノオ君の青春の懊悩は、年代的にも自分と被っている分、うんうんうんうんと頷きたくなるほどよく判り、同時にホンットこういう具合にアホだったんだよなあと自嘲抜きに爆笑できる。今回はウォークマン欲しい!と血管ぶち切れそうになり、さらに運転免許習得で訳が判らなくなっているホノオ君が例によって可笑しい。それと庵野秀明が部屋にあがった女の子にする最高のもてなしがガンダムを第1話から見せて解説すること、というのは爆笑してしまった。

カッコカワイイ宣言! (1) / 地獄のミサワ

カッコカワイイ宣言! 1 (ジャンプコミックス)

カッコカワイイ宣言! 1 (ジャンプコミックス)

ネットでみかけた『地獄のミサワの「女に惚れさす名言集」』が可笑しくって、単行本も出しているらしいからどんなだろうと思って買ってみた。というか最初「女に惚れさす名言集」をまとめたものかと勝手に思ってたんだけど、実際はジャンプスクエア/SQに連載したものを収録している。いやー実はオレ、ジャンプコミックなんか買ったのホンットに久し振りだわ。10年以上買ったこと無いわ。そっちのほうがびっくりした。内容は例によって地獄のミサワだけど、そもそもオレ「地獄のミサワ」ってタイトルかなんかだと思ってました。