■東京怪童(2) / 望月ミネタロウ
- 作者: 望月ミネタロウ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/12/22
- メディア: コミック
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彼らはいわゆる"人とは違う脳の命令によって動いている"者達であり、それと同時に"人とは違う風景を見て生きている"者達でもある。健常者とそうでない者の違いとはどこにあるのか、ここでそれをひねくり回して書くつもりは無いが、ひとつの創作物としてこの作品を捉えるならば、彼らは、"人とは違う風景を見て生きている"がゆえに、健常者と呼ばれている者たちが現実の光景から取りこぼしている"何か"を、もしかしたら"物事の本質"と呼ばれるものの片鱗を、より克明に、体験しているのではないのか。
そう考えるなら、この作品のテーマとなるものは、まさしく"生"そのものなのではないのか。…そういったことまで考えてしまいそうな、どこまでも傑作の胎芽を感じさせる作品の序章である。痛々しく、弱々しい登場人物たちではあるけれども、痛みと、弱さは、"生"そのものを、より鮮明に意識させ、浮き上がらせてゆく。