『トロピック・サンダー』公開記念!帰って来たアホアホ映画10連発+5!(その5)

『帰って来たアホアホ映画10連発+5!』、最終回の今日はウィノナ・ライダー主演の『セックス・カウントダウン 』、『ゲットスマート』のスピンオフ作品『ブルース&ロイドの ボクらもゲットスマート』、そしてトリは「ガキつか」の腰振りオバチャンこと浅見千代子オバチャンが主演する『少林老女』をお送りします。

■セックス・カウントダウン (監督:ダニエル・ウォーターズ 2007年アメリカ映画)

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ひょんなことから「自分が一生のうちにセックスする相手全員のリスト」を手に入れてしまった主人公。その数なんと101人!うおおこりゃやりまくるしかねええ!と最初は鼻息を荒くしていた彼だったが…というコメディ。シモなネタなのでどんなお下品お下劣な映画に仕上がっているかと思いきや、これがドラマのきちんとしたとても良質なコメディに仕上がっているのだ。最初ウハウハだった主人公だったが、どんなにぞっこんな相手と出会っても、リストに記された運命により結局は交際できなかったり、付き合っても次の順番の為に別れる羽目になったりして、傍から見るとバラ色な人生にどんどん暗雲が垂れ込めていくという皮肉な演出が面白いのだ。それとなにより、ウィノナ・ライダーがとても重要な役(最後の相手であり、しかも"死の天使"と呼ばれる女の役柄)で出演しているところが実に嬉しい。しかしそれにしても101人…これ、0人なんて書かれたリスト手にしちゃった人はどうすりゃいいんだろ…。

■ブルース&ロイドの ボクらもゲットスマート (監督:ジル・ジュンガー 2008年アメリカ映画)

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つい最近公開されたスパイ・コメディ、『ゲットスマート』のスピンオフ作品が存在した!主人公は『ゲットスマート』にも登場していた秘密諜報機関の研究員、ブルース(マシ・オカ)とロイド(ネイト・トーレンス)。この二人が発明した光学迷彩を巡り、アホアホなスパイ活劇が展開される。これ、『ゲットスマート』と殆ど同時期に撮影されているんだろうけど、最初から本編のヒットを見越しての製作だろうし、1本の映画としてもしっかり作られていて、やることが贅沢だよなあ、なんて思いながら観てしまった。主役の二人はいい具合に凸凹コンビで、検死官であるためいつも死臭のするブルースの恋人とか度を越した非モテのロイドとか、トホホな人物設定も楽しく出来ている。彼らと絡むCIA局員や謎の美女も一癖あって面白い。それにしても「私の恋人はレーサーで皇太子で腹筋が割れてる男なのよ。あなたはそうじゃないけどいい人なのは認めるわ」という男のフリ方にはゲラゲラ笑ってしまった。

少林老女 (監督:寺内康太郎 2008年日本映画)

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さて【帰って来たアホアホ映画10連発+5!】の掉尾を飾るのは「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!」においてパンチパーマの腰振りオバチャンとして一部に熱狂的なファン(含むオレ)を持つ浅見千代子オバチャンが主演を張ったカンフー映画だ!ちなみにタイトルは「しょうりんババア」と読むらしいよ!物語は、何故か少林拳の師範をしていた主人公の腰振りオバチャンは道場破りに遭いあえなく敗退、落ちぶれて何故かキャバレーの踊り子になったり何故かホームレスになってダンボールハウスに住んでみたり、その後何故かゲートボールの宿命の対決をしたり何故か運命の人に出会ってみたりと数奇な運命に翻弄されるんだ!で、クライマックスは映画『少林寺三十六房』のそのまんまパクリの修行を詰み、にっくき宿敵との対決…となるわけだが、カンフー・アクション部分がスタントマンなのは重々承知だとはいえ、寄りになった時のオバチャン自体が殆ど動かない!いや動けない!なんかヨタヨタジタバタ手足を動かしているだけという惨い映像!ワイヤーアクションもCGも取り合えず使っているけど何の迫力も感じない!この落差があまりにも可笑しい!さらにバーサンは映画の間中終始セリフ無しの無言なのが不気味で楽しい!意識してかしてないのかありがちな脚本と思いつきのような展開としょうもない安っぽさでグダグダに迫る怒涛のアホアホ問題作!劇場で観なくて本当によかった!でもこの映画結構好きかも!?狂言回し役の上島竜兵がいい味出して映画を引き締めてるよ!


…と言う訳で…最後までお付き合い下さった皆さん、ありがとやんした!オレはこれからも…生涯一アホアホとして精進し続けます(ホントかよ)!