実は昨日の日記の続きになるんだ。すなわち動物園に行った後の事なんだね。
相方さんが買い物があるという事で関内の辺りを探したんだが不発に終わり、じゃあもう諦めて晩飯でも食おうかあということになった。そこで相方さんがそういえば伊勢佐木町にツイッターで話題になっていた中華料理の店がある、というのでそこに行くことにしてみたんだ。なんでもスープが相当に美味いらしい。
お店の名前は「中国料理 龍鳳」、広東料理の店らしい。お店を見つけて中に入り席に着いてメニューを見たら、想定の料金よりちょっぴりお高い。まあ若干高級に入る部類ってところかな。ただメニューによっては割と普通な料金の料理もあるし、お財布にはそれなりにお金もあるし、せっかく来たんだから楽しもうぜ!と前向きに考えることして二人でメニューをためつすがめつ眺めてみる。
どうやらこの日のお勧めは筍らしい。筍と言えば旬は今時分だし、相方さんは大の筍好きだし、こりゃあ頼むしかないね!と注文してみる。ついでにあれやこれやも注文し、ついでに生ビールも頼む。オレら二人は中華料理食べながらビールゴキュゴキュ飲むのが大好きなんだ。そうしてビールをゴキュゴキュやっているうちに注文していたピータンが最初に来てつまんでみる。
するとこれが、今まで食べたことのあるピータンとは全然違うのでまずびっくりした。卵のこってりした味に微かなアンモニア臭がして逆にクセになる。添えられたピータンと南瓜のゼリー寄せもいい仕事してる。後で調べたら、安価で出回っているピータンは薬剤に漬けるだけなのでアンモニア臭はしないというから、この時食べたのは本式にちゃんと作られたピータンだったのだろう。
そしておすすめだった筍と豚肉の煮物が出てきたのだがこれがもう、うっとりするような美味しさだった。なにより筍に微妙にミネラル分の風味がある。相方さんに言わせると相当新鮮じゃないとこんな味ではないらしい。煮込んであるスープも、最初特に際立ったものを感じなかったけれども、食べているとじわじわとその旨味が広がってくる。あっさりしているように思えて実はとても複雑で滋味深い味わいなんだ。これはちょっとしたものだぞ。これも後から調べて知ったのだが、このお店、丹沢山に竹林を所有していて、筍は自前の収穫物なのらしい!恐れ入った!
続いて水菜とつぶ貝の炒め物。これもさっきの筍と豚肉の煮物同様、「あっさりしているように思えて実はとても複雑で滋味深い味わい」の一品。この辺りで広東料理というものの底力がパッと見えてきた。だいたいオレと相方さんは中華料理を食べるときはもっと分かりやすくて味の濃いものばかり食べてたから、こうして広東料理をちゃんと食べたことが今まで無かったような気がする。
そして「どんなもんだろ?」と期待していた冬瓜のスープ。いやもう相方さんとオレ、これで脱帽。「あっさりしているように思えて実はとても複雑で滋味深い味わい」の集大成だった。食は広州にあり、という言葉があるけど、まさにそれを体現しているような美味さだったぞ。そもそも中華料理店でスープなんぞ注文したことはないが、こうして食してみるとスープこそが中華の神髄なんじゃないか?とまで思えてきた。考えてみればタイ料理のトムヤンクンにしても韓国料理のサムゲタンにしてもその国の代表料理だったりするものね。
最後の〆は炒飯!一番分かりやすい料理でもちろん十分美味しかったけれど、同時にこの店ならではの一貫した風味がこの炒飯にもしっかりと存在していて、最後まで美味しく楽しませてもらいました。
料金的にはちょっぴりお高い部分もあるが、広東料理の美味しさをここまで分からせてくれたこのお店、これはこれからもリピートしてみたいな。とはいえ公式HPを見てみたら、4月は既に予約でいっぱい……うわあ、なんにも知らないで凄い店に入っちゃったんだな!?