■鬼手(きしゅ)(監督:リ・ゴン 2019年韓国映画)
韓国映画『鬼手』は超絶的な腕を持つ棋士たちが己の全精力を懸けて囲碁を打ち合う囲碁バトル映画なんだッ!!
囲碁の真剣勝負!
熾烈極まりない囲碁試合!
白熱する囲碁の駆け引き!
ここが囲碁の試合会場です!
囲碁のために鍛え抜かれた身体!
……って、いったいどこが囲碁やねん!!??
……安心してください、この『鬼手』は間違いなく囲碁映画です!囲碁映画なんだってば!!
物語はこんな感じ:
姉を死に追いやった天才囲碁棋士を倒すため、少年グィスは旅に出た!
グィスの辿り着いたのは山奥の廃寺!
そこでグィスは血の滲むような修行を積み、遂に究極の囲碁の技を会得する!
やがて青年へと成長したグィスは、裏社会で賭け囲碁を打つ猛者どもを次々と血祭りに上げてゆく!
じわじわと敵である天才囲碁棋士に近付いてゆくグィス!
そこに、グィスに過去の恨みを持つ男が刺客として襲い掛かる!
いやー、囲碁ですねー、まさに囲碁バトルストーリーですよねー。
え、なに?
「それ復讐テーマの格闘映画そのまんまやん?」
いやあのえーっと、まーその、その通りなんだけどね!でもね!「格闘」を「囲碁」に置き換える、その発想の転換が凄いじゃないか!というより、そもそも囲碁のシーンと格闘のシーンがほぼ半々(しかも囲碁映画なのにほとんど血塗れ)なので、「囲碁バトル映画」というよりは「囲碁+バトル映画」という事もできるね!え?囲碁映画なのになんでバトルシーンがふんだんに盛り込まれるのかって?そりゃあそのほうが面白いからに決まってるじゃないか!
格闘も囲碁も別格の腕を持つ主人公の敵もスゴイ!どいつもこいつもイッっちゃってる!賭け囲碁に負けると殺し屋を差し向けるヤクザ者!敗者の腕を切り落とす霊能力者!殺人囲碁盤(!?)を持つサイコパス!さらにその試合会場となるのも線路の上!とか100人組手!とか、なんか書いていて自分でも訳が分からない!
というか、観ていてふと思ったけど、みんなそんな大金や命まで賭けてしまうほど囲碁好きなのか!?そんなに囲碁が大人気なのか!?猫も杓子もヤクザ者もみんな囲碁の虜なのか!?というオレにはよく分かんない世界線にある物語で、囲碁の世界の大いなる謎と神秘を思い知らされた思いでありました!なんかもーあれこれ訳が分かんないくらい物凄くて、あまりのことに時々「ぷっ」と笑っちゃったけどね!でもそれを大真面目にやり通したのがこの映画の底力だと思うな!囲碁好き、格闘映画好き、そしてとんでもない映画を観てみたい人は是非劇場に足を運んでくれ! いやそれにしても毎度思うが、韓国映画、凄すぎ!