映画『2001年宇宙の旅』のメイキング本『The Making of Stanley Kubrick's 2001 - a Space Odyssey』

■The Making of Stanley Kubrick's 2001 - a Space Odyssey / Piers Bizony

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 『2001年宇宙の旅』といえば映画ファンなら知らない者の居ない(筈)の映画史上不朽の名作である。監督は、これも言うまでもないが鬼才スタンリー・キューブリック

そもそもがSFファンであるオレにとっても『2001年宇宙の旅』は「なにしろスゴイしとりあえずスゴイって言っとかなきゃ始まらないSF映画」であるのは確かだ。

子供の頃雑誌の付録か何かで「『2001年宇宙の旅』シール」というのを持っていた。無造作にあちこちペタペタ貼って遊んでいたが、今持っていたらプレミアものだったかもしれない。まだ小学校すら上がっていなかった子供の頃のオレは、映画の内容こそまるで知らなかったけれども、宇宙船や宇宙服のそのシャープなデザインに非常に魅了されていたのを今でも覚えている。

その後二十歳前後の頃、有楽町でリバイバル上映がされたのを観に行った覚えがある。上映時間が141分とそもそも長い映画なのだが、劇場公開されたその時、上映の合間に休憩時間が入ったので非常にびっくりさせられた。洋画で休憩時間を体験したのは後にも先にもあの時だけだったかもしれない(インド映画はよくある)。

この『2001年宇宙の旅』のメイキング本が存在するというので、またもや洋書ではあったが勇んで購入してみたのだ。で、この現物というのが、なにしろあのモノリスの格好をしている。長細い長方形なのだ。多分縦横の比率もモノリスに準じているんじゃないのかな。f:id:globalhead:20180814184556j:plain

ボール紙で出来た外箱を外すと本体が出てくるのだが、なにしろ長細い変形本なので扱い難いのは確かだ。で、この形だと図版が小さくなってしまう為、それを回避する為か折込になったページが相当数ある。これを伸ばしたり畳んだりして読むのがまたまた読み難い。決して安い書籍ではないので、ページを破ってしまわないようにおっかなびっくり扱うことになるのがまた面倒臭い。

とはいえ、中身の充実ぶりは半端ないものがある。映画のスチール写真だけでも垂涎モノだが、映画で使われたスペースシップの詳細なミニチュア像写真やセットの写真は「こんな写真が存在していたのか」と唖然とさせられる。セットの中でスタッフと打ち合わせしているキューブリックの写真とか、セットを見学しに来た原作者のA.C.クラークの写真とか、もう見たことも聞いたことも無い物だらけなのだ。

もうひとつ驚かされるのは大量のコンセプトアートだ。これはもう冒頭の原始の地球シーンからクライマックスのスターゲート・シーンまで山のように収録されているのだが、どれもイメージ豊かでとても楽しめる。さらにその中には映画に採用されなかったシーンやアイディアが幾つかあるのだ。それらを眺めながら「こうであったかもしれない「2001年」」を想像するのもまた楽しい。

そして驚いたのは映画にはエイリアンが登場するアイディアもあったのらしく、その模型写真も収録されている。『2001年宇宙の旅』に登場したかもしれないエイリアン!もうこれだけで今このブログを読みながら身を乗り出しているSFファンが結構いるんじゃないかな!なんかプレデターみたいだったよ!さらに巻末にはフィルム・シノプシスまで掲載されていて充実の内容!これで英語さえ読めたら!あと変形本じゃなくて普通の判だったら!とあれこれ悶絶せずにはいられない圧倒的な内容でありんす!あとモノリスの形しているから飾っとけば新人類に進化できるかもしれないよ!

下は出版元のTaschen Booksホームぺージのリンク。以下の写真はこのサイトのものです。

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The Making of Stanley Kubrick's 2001 - a Space Odyssey

The Making of Stanley Kubrick's 2001 - a Space Odyssey