最近ダラ観したDVDだのBlu-rayだの

ゲーム・オブ・スローンズ 第四章:戦乱の嵐-後編- (TVドラマシリーズ)

ジョージ・R・R・マーティン著のファンタジー小説シリーズ『氷と炎の歌』を原作とし、それを圧倒的な映像で再現したテレビドラマシリーズ第四章。錯綜しまくった物語と人間関係はここで説明できないが、この第四章ですら新たな登場人物が追加され物語は目まぐるしく移り変わり、いつもながら片時も目を離せない出来栄えとなっている。おまけにこの第四章ではここまで続投してきた様々な主要登場人物が虫けらのように次々と死んでゆき、毎回毎回ラストで「なんじゃこりゃあああ!?」と悲鳴を上げているうちに次回へとなだれ込む。これまでも十分楽しめる物語だったが、この第四章の怒涛の展開ぶりはシーズンを通して最高の盛り上がりを見せているのではないか。調べたところ原作とは違う展開も徐々に見せているらしく、原作ファンも目を離せない章となっているだろう。

■チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密 (監督:デビッド・コープ 2015年アメリカ映画)

インチキ美術商がとある陰謀に巻き込まれ上を下への大騒ぎ!?という物語だが、ジョニー・デップグウィネス・パルトローという大物俳優陣を揃え、それなりに面白く出来てはいるが、微妙な小粒感はぬぐえない。これは英国作家キリル・ボンフィリオリによる原作の、イギリスらしい湿り気の多いシニカルさやブラックな風合いを持つ物語テイストが、アメリカ人監督とアメリカ人俳優勢により無味乾燥で薄っぺらいハリウッド流のドタバタコメディに様変わりさせられてしまったせいなのではないか。餅は餅屋ではないがイギリス人の歴史を経たこじらせぶりは、単純なアメリカ人には再現不能のように思う。

■シェフ 三ツ星フードトラック始めました (監督:ジョン・ファブロー 2014年アメリカ映画)

『アイアンマン』シリーズのジョン・ファブローが監督・脚本・製作・出演した作品。オーナーと対立して解雇された腕利きシェフが、フードトラックを始めたら大成功さ!という邦題通りの映画で、ビッグバジェット続きの監督が息抜きで作ったんだろうなあ、というのがありありと分かってくるようなお気楽な内容となっている。ケチを付けたい部分は山ほどあるが、映画に出てくるキューバサンドイッチが美味そうだったからオールオッケーということにしようかな、という気分になった。ジョン・レグイザモスカーレット・ヨハンソン、あとチョイ役だがダスティン・ホフマンロバート・ダウニー・Jrの出演というのが嬉しい。

■やさしい本泥棒 (監督:ブライアン・パーシヴァル 2013年アメリカ/ドイツ映画)

第2次大戦中のドイツを舞台に、身寄りのなくした一人のドイツ人少女がある家に貰われて…という物語である。タイトルの「本泥棒」とは、主人公少女が本屋で万引きしまくってるとかそういうのではなく、ある人物に本を読んで聞かせるため少女がこっそり本をくすねてくる、という部分からきている。第2次大戦でドイツというと、熾烈な戦闘とかユダヤ人絡みの悲痛な物語が連想されがちだが、この物語はありふれたドイツ人家庭の、ごく普通な少女が体験する戦争である、という所がとても新鮮だ。あとなにしろ主人公を演じるソフィー・ネリッセの美少女ぶりには心奪われるし、脇を固めるジェフリー・ラッシュエミリー・ワトソンらの存在感が素晴らしい作品だった。

■シェアハウス・ウィズ・バンパイア (監督:タイカ・ワイティティ/ジェマイン・クレメント 2014年ニュージーランド映画)

タイトル通りシェアハウスしてるバンパイアの生活ぶりをPOVのドキュメンタリータッチに撮ったコメディ作品だ。まあだいたい想像通りの内容で、もう少しはっちゃけた部分や破綻があってもいいとは思ったが、丁寧に作ってある部分で好感度は高い。敵対勢力として狼男集団が出てくるシーン(しかもこれが意外と大ボケな連中)は楽しかった。だいたいニュージーランドでバンパイアというのもなんだか変な感じがして面白い。

■プロジェクト・アルマナック (監督:ディーン・イズラエライト 2014年アメリカ映画)

プロジェクト・アルマナック [Blu-ray]

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主人公のワカモノが親父の遺したタイムマシンを発見し、友人のワカモノたちと一緒に過去を楽しい思い出に変えちゃおう!とあれこれ弄るがそこはそれバタフライ・エフェクト効果でとんでもないことになる、というお話をPOVで描いた作品だ。作品の雰囲気は『クロニクル』そっくりなんだが、『クロニクル』みたいな緊張感はないし暗くないしとんでもない恐ろしいことが起こるわけでもないしルサンチマンダダ漏れしていない。そういったライト出来ではあったが、これはこれなりに楽しめた。変なスクールカーストとかも描かれないし(あれって食傷するんだよな)普通なワカモノが登場する部分で結構爽やかだったからかな。

■百歳の華麗なる冒険 (監督:フェリックス・ハーングレーン 2013年スウェーデン映画)

100歳の華麗なる冒険 [DVD]

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百歳になるジジイが老人ホームを脱走したはいいが、なぜだかマフィア絡みの事件に巻き込まれちゃう、という物語である。しかしなにしろ百歳になるジジイなのでなんだかいつもモヤッとしており、そのモヤッとした行動のせいなのかマフィアの連中が次々自滅していくのだ。自滅したマフィアの死体がゴロゴロ転がる様は実に狂った味わいである。おまけにこのジジイ、その過去に世界を震撼させた様々なことがらに関わっていたらしく、歴史上の人物が次々に登場する様は『フォレスト・ガンプ』を思わせるが、こちらのジジイはひたすらブラックなのだ。こうして思わぬ方向に話が進み、非常に楽しめる作品だった。

フライト・ゲーム (監督:ジャウメ・コレット=セラ 2014年アメリカ映画)

リーアム・ニーソン演じるやさぐれ航空保安官が、飛行中の旅客機内で「身代金振り込まないと乗客一人づつ殺してゆくぜヒャッハー!」というメールを受信し、緊迫の犯人探しに挑む、という密室スリラーである。いやこれよく出来てたし素直に楽しめる作品だったな。粗探しすれば幾らかはあるんだろうが、決してそういう気分にさせない展開の面白さがあるんだね。それとオレ最近TVドラマ『ダウントン・アビー』を観ているんだが、『ダウントン・アビー』に出ているミシェル・ドッカリーがこの映画に出演していてとても嬉しかったというのもあったな。こういうサクッと観られるシンプルなスリラーっていいね。

ダウントン・アビー シーズン2 (TVドラマシリーズ)

さてそのミシェル・ドッカリーが出演している、20世紀初頭のイギリス貴族とそれにかしずく使用人たちを描くTVドラマ『ダウントン・アビー』のシーズン2である。いやーまさか自分がイギリス貴族のお話にハマるとは思わなかったわ。貴族ってステキとかいうのではなく馴染の薄い社会のよく知らなかった生活と文化、そしてそこで生きる人たちが何を信条としているのか、そういったことを目の当たりにするのが面白んだよね。このシーズン2ではいよいよ第1次世界大戦が勃発し、貴族たちの生活も変化を余儀なくされる。そして彼ら自身も時代が変わっていっていることを痛感している。この「変わりゆく時代に直面する者たち」というテーマがまたいいんだよな。もちろんソープオペラなくっついたり離れたりの男女のお話も嫌いじゃなくってよ、ウフ。

モンティ・パイソン 復活ライブ!〜完全版〜 (監督:エリック・アイドル

2014年にロンドンのO2アリーナで行われたモンティ・パイソン結成45周年記念の復活ライブを収録した作品である。念の為に書いておくが「30年ぶりにして最後の再結成」などとソフトには謳われているけど、モンティの連中は2009年に結成40周年記念として映画『モンティ・パイソン ライフ・オブ・ブライアン』のオペラ版をロイヤル・アルバート・ホールで公演しており、これは『モンティ・パイソン / ノット・ザ・メシア』というソフトに収録されている。さて内容だが、「死んだオウム」「スペイン異端宗教裁判」「スパムの多い料理店」などモンティのお馴染のスケッチを舞台で演じたものになっており、この合間合間に総勢20名のダンサーによる豪華かつふざけたダンスが入るというわけである。決して新しいネタがあるわけではなく、あのまんまのモンティではあるが、既にいい歳こいた爺さんとなったモンティの面々が相変わらず下らないことをやっている、という姿を楽しむソフトなんではないかと思う。女装姿とか、もう伝統芸の領域だよなー。しかし、見てるとやっぱ若いよな。うんうん、ええではないか。そしてラストは当然"あの曲"で〆となるのがまた嬉しいよね!人生いい面を見て生きよう!