■300 <スリーハンドレッド> 〜帝国の進撃〜 (監督:ノーム・ムーロ 2014年アメリカ映画)
- 紀元前480年、100万のペルシャ帝国軍勢にたった300人のスパルタ人兵士が挑み、そして殺した「テルモピュライの戦い」を描く歴史アクション映画『300 <スリーハンドレッド>』の続編です。IMAX3Dで観ました。
- 実は今回の映画、前作で【変態大王】の名をほしいままにしたペルシャ帝国王クセルクセスが主人公となり、ギリシャの腰抜け諸国を蹂躙し殲滅しそして殺す映画だと思ってたんですよ。いやあクセルクセス、ハゲで半裸でクネクネしてて面白かったよなあ。
- でもそうじゃなくて前作『300 <スリーハンドレッド>』と半ば物語を交差させながらもうひとつの戦いを描く、という作りになってたんですね。どちらにしても殺したり殺されたりそして殺すのは変わりありませんでしたが。
- 今作で中心となるのはアテナイのテミストクレス将軍(サリヴァン・ステイプルトン)と、ペルシャ帝国軍の女豹アルテミシア(エヴァ・グリーン)との大海戦です。なにしろ殺します。「まあもともとコミック原作の映画だしこの辺創作だろ」とばかり思ってたんですが、「サラミスの海戦」というれっきとした史実を基にしているんですね。もちろんアルテミシアの運命等史実通りではないにせよ、これはこれで十分なスペクタクルでした。そして殺してましたしね。
- それと併せ、クセルクセスがどのようにしてハゲで半裸でクネクネした【変態大王】となったのかが描かれていて愉快でした。個人的にはもっとクセルクセスを出ずっぱりにしてその変態さを心行くまで堪能したかったんですが。まあとりあえず殺してましたから満足ですが。
- なにしろ敵役であるゴスっ子・アルテミシアが女だてらに戦闘能力が高くて残忍なのが今回の見所でしょう。ただ、物々しく登場した割には最初の海戦で立て続けに破れる所はちょっと期待外れでしたが。でもそのあと破壊神の如く盛り返すよ!そして殺すよ!
- それに対してテミストクレス将軍は格好いいことばかり言ってますが少々精彩に欠けます。前作の主人公だったスパルタのレオニダス王が非常にカリスマ性の高い描かれ方をしていたので、地味に見えちゃうんですね。それでも殺す時は殺します。
- あと、アメリカ資本の映画らしく、主人公が「民主主義がッ!!」とか「自由がッ!!」と吠えまくってたのが前作に引き続きシラケました。確かに古代ギリシャの時代から民主主義の概念はあり、それは奴隷の存在が前提だったり女性に市民権がなかったりという瑕疵こそあれ、先見的なものであったでしょう。ただこの映画で使わるとどうにもアメリカ覇権主義の臭いがするんだよねえ。
- 今作は前作の監督であったザック・"「エンジェル・ウォーズ」のことを黒歴史ってゆうな"・スナイダーさんではなく、ノーム・ムーロさんという方が監督を務めておりますが、ザックさんに及ばずともなかなか頑張っていたと思います。そして殺してましたし。
- とりあえず、殺すシーンがたっぷりあり、殺されるシーンもたっぷりあり、大量殺戮の様子をたっぷり堪能できる映画としてなかなか良い出来栄えだったのではないでしょうか。なにしろ殺して殺してそして殺す映画でしたね。そして殺す。
- なお前作『300 <スリーハンドレッド>〜新たなる希望〜』今作『300 <スリーハンドレッド> 〜帝国の進撃〜』に続き、3作目として『300 <スリーハンドレッド> 〜スパルタの帰還〜』が予定されているというのは嬉しいですね。その後時間を遡り『ファントム・ペルシャ』『クセルクセスの攻撃』『ギリシャの復讐』とサーガは作られていくようです。すいません全部スターウォーズネタの冗談です。そして殺す。
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