暗黒皇帝である。苦しゅうない。常日頃我らが帝国の栄光ある未来を実現する為刻苦勉励する臣民たちよ、誠にご苦労である。
そんな汝らに本日、儂自ら伝えることがあるのじゃ。このたび銀河の覇者であり慈愛に満ちた主君であるこの儂が、銀河辺境惑星地球に住む帝国臣民、doyなる人物の願いを聞き入れ、かの者の作成する同人誌に我が至高の一言を書き添えることとなったのじゃ。
doy氏はこの同人誌に於いて数多の小学生、もしくはかつて小学生であったものたちの赤裸々な映画体験を編纂し、『小学生映画日記』なるタイトルでもって発行することを目論んでいたのじゃ。そしてそのdoy氏がまず第一に白羽の矢を立てたのが誰あろうこの儂であったという。誠に隻眼である、と言わざるを得ないであろう。
というよりむしろ、もし寄稿依頼が無かったならば我が逆鱗に触れること必至、doy氏は逮捕監禁拷問された後、銀河引き回しの上獄門打ち首、その生首は額に肉という字をマジックで書いた後プラスティネーション処理され銀河全ての惑星で未来永劫見世物としてたらい回しされ続けたであろう。しかし慈悲深い儂は残されたdoy氏の家族に関しては篤き処遇を施すことやぶさかではなく、doy氏元奥方も愛娘マーリーちゃんも宮廷において何不自由ない暮らしをさせ「パパが生きてた時よりずっとしあわせ」と心の底から言わしめる所存であるからあの世のdoy氏は草葉の陰で我が温情に涙鼻水垂らしまくりながら感謝すればよいのじゃ。
さて儂がこのdoy氏の同人誌に寄稿したコラムは「幼少時の儂にトラウマをもたらした映画」というタイトルであり、軽妙洒脱、空前絶後、疾風怒濤、縦横無尽、天衣無縫、驚天動地、阿鼻叫喚、感涙必至、焼肉定食、まさにコラムの中のコラム、コラムの王、コラムの皇帝、このコラム読まずしてコラム語るなかれと断言せざるを得ない至高至宝珠玉の一篇なのじゃ。実はこのコラム、栄光と勝利に満ちた我が半生を記す自叙伝の一部であり、現在2057巻まで書かれておるが未だ完結の目途が立たぬ畢生の大作《銀河暗黒皇帝烈伝》から抜粋したものなのじゃ。この《銀河暗黒皇帝烈伝》は銀河暗黒帝国臣民必携必読の書物ゆえ一家に全巻揃えるのが義務であるぞよ!
さらにこの同人誌には儂の他にそうそうたるメンバーによる文章が寄稿されておるのじゃ。詳しくは『同人誌「小学生映画日記」について』を見るがよいわ。寄稿した者たちの文章は儂の文章の崇高ともいえる領域にはまだ達しておらぬとは言え、現在地球で読むことの出来る最も芳醇で含蓄に富むものと言えよう。即ちこの「小学生映画日記」は同人誌の域を超えた破格の完成度を誇る宇宙的に優れた冊子であり、他の追従を許さぬその面白さはフィクション・ノンフィクションも含めた数多の商業出版物をも凌駕し紙屑へと変えてしまう起爆力を秘めておるのじゃ。
そしてこの「小学生映画日記」がなんと、来る12月5日日曜日、東京は蒲田で開催される《文学フリマ》で入手できるのじゃ!これはもう行って買わぬわけにはいかぬであろう!その値段、たったの500円!儂を筆頭とするあれほどまでの豪華執筆人を揃え、doy氏のハイセンス極まりない編集能力でもってCOOLに仕上がった最高の一品が、たったの、500円!しかも先着75名にはdoy氏製作のスペシャル・グッズ付き!先着を逃した方にもdoy氏からの熱いキッスと抱擁が男女問わず洩れなくついてくる!もし今入手すれば驚くべきプレミアが付くのは当然であり、持っているだけで将来は億万長者!さあこれを読んでいる純朴なる臣民たちよ、限定150部なので売り切れ必至、日曜日は蒲田に急ぐのじゃ!
(これだけ書いたんだからdoyさん、きっとメッチャ美味い酒ご馳走してくれるんだろうなあ…ニヤリ)