因果歌謡への招待〜ああそうさひたすらしょーもないさ!でも歌うんだよ!(その1)

幻の名盤解放同盟

幻の名盤解放同盟」とは湯浅学(音楽評論家)、船橋英雄(デザイナー)、根本敬特殊漫画家)からなるユニットであり、日本歌謡曲史の歴史の影に埋もれた、ひたすらしょーもない奇盤・珍盤・怪盤を徹底的に収集しようという、実に奇特な目標のもとに活動している人たちなのである。
しかしその集められたコレクションが凄い。いったいぜんたい、なんでこんなものが作られなければならなかったのか?と思っちゃうような、唖然とさせられる内容の音源ばかりなのだ。そこには脱力と蒙昧と因業と勘違いとルサンチマンが鳴門の渦のように渦巻き、あたかもブラックホールのように全ての良識と常識を吸い込んでゆくのである。
これまで幾つかのオムニバスCDが発売されていたがどれも廃盤、マニアたちのCD収納棚の奥深くへと封印されていたままであった。まあこのオレも1枚だけ持っていたが、はっきり言って音楽として聴くとその負のパワーに圧倒され、体力が全て吸い出されてしまうような凄まじい内容であった。なんすかねえ、ネットで死体写真を小一時間ほど見た後の虚無感と疲労感に似ているといいますか…。
しかしその幻の名盤解放歌集が、『The Best Of 幻の名盤解放歌集』として帰って来ていたのである。いつの間にか。一昨年ぐらいの発売だったらしいが。という訳で今回はこの『The Best Of 幻の名盤解放歌集』を中心に、検索を掛けたらついついひっついてきた、その他の脱力系歌謡をなんと4日に渡り適当に羅列してみようかと思う。ただしどの音源も未聴であり、今後聴く予定も無い。単にアホそうなタイトルを拾い出してはそれをあざけ笑う、という厭味でよこしまな企画でしかないのでご注意を。では行ってみよう!

■The Best Of 幻の名盤解放歌集「王道」maximum解毒歌謡

THE BEST OF 幻の名盤解放歌集 「王道」MAXIMUM解毒歌謡

THE BEST OF 幻の名盤解放歌集 「王道」MAXIMUM解毒歌謡

曲目
01. からっぽの青春/串田アキラ 02. マサオ/赤木さとし 03. 私のあなた/三浦正弘とアロハ・ブラザーズ 04. ラリラリ東京/三浦正弘とアロハ・ブラザーズ 05. 愛の絶唱/太子乱童 06. モナリザ仁義/鈴江京子 07. ヨコハマ物語/中川浩夫とアンジェラス 08. どうだっていいわ/大門弓子 09. 太陽に抱かれたい/ジョニー広瀬 10. ぱぴぷぺぷぺぽ/ジョージ吉村 11. 恋の赤坂/チャーリー&マッシー 12. 最終電車に乗る女/水沢夕子 13. モーレツのブルース/マイガールズ 14. 泣かないでママ/ボネ 15. あやまち/串田アキラ 16. しあわせの限界/串田アキラ 17. Get Tomorrow(三百六十五歩のマーチ)/マイク三宅 18. 相棒part4 アメリカン・ドリーム/藤本卓也

02「マサオ」。誰だよマサオって。
04「ラリラリ東京」、歌うは三浦正弘とアロハ・ブラザーズ。ラリラリでアロハですか。極楽ですなあ。もう逝っちゃってますなあ。
で、08「どうだっていいわ」、まあそんな捨て鉢にならなくとも。
そして10「ぱぴぷぺぷぺぽ」、こっちのタイトルの方が”どうだっていいわ”って感じだよな!
12「最終電車に乗る女」。乗り遅れないでくださいね!
14「泣かないでママ」、タイトルはいいとしても歌手名ボネが気にかかる。ナニ人だお前。

■The Best Of 幻の名盤解放歌集「王道」もうがまんできない

THE BEST OF 幻の名盤解放歌集 「王道」もうがまんできない

THE BEST OF 幻の名盤解放歌集 「王道」もうがまんできない

曲目
01. スナッキーで踊ろう/海道はじめ 02. もだえ/マリア四郎 03. 傷恋/マリア四郎 04. 恋のチューリップ/港孝也とパッション・グループ 05. 南国の夜/中井昭とコロラティーノ 06. 東京のひと/ゲイリー高木とルーパー6 07. 太陽がほしい/万里れい子 08. 磯釣り音頭/野田憲司とギャランティ 09. 父ちゃんどこさいった/奈良寮子 10. 資本論のブルース/大城晋 11. ニャオニャオ甘えて/民悦子 12. 公害ブルース/アプリコット 13. 当地興行/栃若清光 14. 新小岩から亀戸へ/潤まり 15. 男/神ブラザース 16. 変な串かつ教室/屋台のおっさん 17. 硬派銀次郎/山田銀次郎 18. 相棒 Part3 人生グルメ/藤本卓也

02「もだえ」、04「恋のチューリップ」あたりのタイトルはまず手始めといったところであろう。
そして09「父ちゃんどこさいった」。父ちゃん失踪かよ!?と急転直下の展開の後10「資本論のブルース」などというわけの分からない曲名で惑わせておいて、いきなり11「ニャオニャオ甘えて」の登場!聴く前から痛そうな唄と分からせてどうする!?
12「公害ブルース」は「ゴジラ対ヘドラ」を思い出させ、あの曲もひどかったなあ…と郷愁に浸っていると14新小岩から亀戸へ」。総武線各停ですか。…ってだからなんなんだよッ!?別に「品川から大崎へ」でも「阿佐ヶ谷から荻窪へ」でもいいじゃないかよ!?
さらに15「男」、歌うは神ブラザース!お前らどこの神だよ!どんだけ突っ込んでもらいたいんだよそのネーミング!?
といきなり逆上させて、とどめは16「変な串かつ教室」、歌うは屋台のおっさん!いったいどんな串かつなんだあああああッ!?


(次回に続く)