最近聴いたCD・レゲエ篇

■BLACK WORLD DUB / BULLWACKIE'S ALLSTARS ブルワッキーズ・オールスターズ

Black World (Reis)

Black World (Reis)

オリジナルは1979年に「WACKIE'S」のサブ・レーベル「HARDWAX」より極僅かプレスされ、今では手に入れることがほとんど不可能な幻のダブ・アルバム。地を這うようなベースラインがひたすら怪しげな強烈に渋いダブや、ドラム、ボンゴが打ちまくったヘヴィーなステッパーズ・ダブ、DENNIS BROWNの名演で有名な「Rain From The Sky」の、あのゆったりとした切ない名曲もここではヘヴィーなステッパーズ・ダブに激変!聴く音全てが奇跡的。当時の日本から輸入した最新の機材を手に、蘇ったニューヨークのBlack Arkサウンド。ジャマイカのキングストンのゲットーと、ブルックリンの荒れ果てた街並みが交差するモノクロのヘヴィー・ステッパーズ・ダブ!
http://xxxpercepto.com/?pid=9374527

いつもダブ・アルバムのレア盤と呼ばれるようなアルバムを買って聴いていたりしますが、実の所自分はそれほどこのジャンルが詳しいというわけではありません。ネットCDショップのレゲエ・コーナーでお薦め盤を試聴して、気に入ったら行き当たりばったりに買っている程度で、アーチストやレーベルの名前で大系的に聴いているというほどじゃないんですね。だからこの日記で文章を書いても、恥ずかしい話結構受け売りだったりもするんですが、しかしこうして文章書くために調べることで初めて知ることがあったりします。例えばこのブルワッキーズ・オールスターズ、WACKIE'Sというレーベルから出ているんですが、名前こそなんとなく聞いた事があるものの、調べるとN.Y.のレゲエ・レーベルであるらしい。つまりジャマイカン・オリジナル・レゲエというものではないんです。

ジャマイカで生まれ、後にN.Y.へ移住したBULLWACKIEことLLOYD BARNESによる、レーベルWACKIE'Sレーベルのカタログ。ジャマイカからも数々のアーティストを招いていますが、基本的にミュージシャンもスタジオもN.Y.をベースにしていた“オリジナルN.Y.ルーツ・サウンド”として唯一無二のレーベル。70年代後期〜80年代にかけて録音された作品を、BASIC CHANNELがドイツで丁寧な再発・復刻をスタートし(初CD化のものも多数)、たやすく入手できるようになったため、広く知られるレーベルとなりました。
http://www.discshopzero.com/item/wackies.html

イギリスのジャマイカ移民によって作られたU.K.レゲエというのは昔から馴染み深かったんですが、N.Y.レゲエというものも存在していたんですね。ジャマイカン・レゲエに対しU.K.レゲエの音は若干湿り気が強いように感じていましたが、このブルワッキーズ・オールスターズで聴けるN.Y.レゲエは、音的に温度も湿度も低く淡白なレゲエといった印象です。まあこれはN.Y.レゲエという名前を意識してから感じたことなので、甚だしい思い込みなのかもしれませんが。
楽曲はどれも優れています。dennis walksの"drifter"のダブ"Recording Connection"、Horace Andyの名曲"Skylarking"のダブ、Heptonesの"My Guiding Star"のダブ"Mornig Star"など、有名曲のダブが多いですが、どれも重いベースと鋭利なリズム・ギターというダブの基本に忠実に、そしてより強力になったダブを聴くことが出来ます。少々録音は古いですが聴き応えのあるアルバムでしょう。
このWACKIE'S関係の音には興味を覚えたので、少し追いかけてみようかと思っています。

■INNOCENT YOUTHS / EARTH ROOTS & WATER アース・ルーツ&ウォーター

Innocent Youths

Innocent Youths

Jerry Brownのカナダの伝説のレーベル、Summer Recordsに残された、幻のインストゥルメンタル・ダブ・アルバムが奇跡の再発!!!オリジナルは77年にSummer Recordsからリリースされた超レア・アルバムで、Summer Recordsのハウス・バンド的なグループだったEarth,Roots & Waterの唯一のアルバム。カナダからのLee Perryのblack Arkへの返答とまで言われるSummer Recordsの、その実験的かつ革新的なサウンドを詰め込んだ奇跡のアルバムが、オリジナル・マスターテープからリマスタリングされ、30年以上の時を経て、今蘇る!!!
http://diskunion.net/reggae/ct/detail/REGGAE-3593

さてN.Y.レゲエのWACKIE'Sに対し、こちらはカナダのレゲエ・バンド、アース・ルーツ&ウォーター。バンドの詳細は不明ですが、彼らもカナダ在住のジャマイカ移民のバンドだったんでしょうか。ダブ・アルバムとしては何一つ遜色の無い幻想的なサウンドを聴かせてくれます。こちらもダブ好きの方にはお薦めできると思います。演奏のヘヴィーさと比較してヴォーカル曲の暖かさが印象に残りました。

■LIFE OF CONTRADICTION / JOE HIGGS ジョー・ヒッグス

Life Of Contradiction (PSCD058)

Life Of Contradiction (PSCD058)

この『Life Of Contradiction』は、Joe Higgsの伝説のソロ・アルバム第一弾で、75年にジャマイカではMike Johnsonの「Micron」レーベルから、イギリスではJunior Lincolnの「Grounation」(『Vulcan』の姉妹レーベル)からリリースされた彼の最高傑作アルバム。そしてこれこそが「レゲエの最高傑作アルバム」として語り継がれる永遠の名盤アルバムである。
http://diskunion.net/reggae/ct/detail/REGGAE-3558

ジョー・ヒッグスは"Toots、Jimmy Cliffと共に「3人の長老」として紹介された、レゲエ史上最も影響力のある「レゲエの父」と呼ばれる最重要人物"ということですが、初めて音を聴いたアーチスト。レゲエの範疇に止まらず、音の間からはブルースの匂いが漂ってきているような気がします。ただやはりオレはルーツものよりもダブが好きみたいで、"永遠の名盤"っていう印象は受けなかったなあ。