野武士のグルメ/久住 昌之

野武士のグルメ

野武士のグルメ

孤独のグルメ』の原作者でもある久住昌之のエッセイ本です。『孤独のグルメ』みたいにふらっと入った料理屋での出来事や、そこでモーソーしたことが書かれているんですな。この中で久住さんは「入ったことの無い食堂に入るのはとても勇気がいる」みたいなことを書いているんですが、実はオレも結構そんな部分があるんですよ。気取った高級レストランに入るわけでもなし、その辺によくある定食屋に入るだけなのに、なんでここまでグダグダ思い悩むんだとしょっちゅう思ってますよ。
なんかこう食べてみて「ああああ失敗した!」という悔しい結果に終わることがホントに嫌で。ちょっと外に出掛けて腹が減ってきて、それであちこちの定食屋なりファーストフード・チェーンの店前をぐるぐる回ってみるんですが、結局「もういいや!」と諦めて家に帰って酒飲んじゃうとかしょっちゅうですねえ。いい歳こいた大人が何やってるんですかねえ。恥ずかしがり屋さんなのかしらん。ポッ。
あとオレの変なところは、初めての店に入るのが嫌なばっかりに、一回入って「こりゃ相当不味い」と思った店にまた入っちゃう、なんてことをする所ですね。とりあえず不味いということは分かっているので、少なくとも失望することはない、という訳の分からない論理なんですな。で、そこでメシ食って「ああ、やっぱり不味かった」と文句言いながら帰ってくると。ホントもう、アホかと。バカかと。
そんなオレと久住さんの決定的に違う所は、久住さんは入った店でそこのおかみさんなりお客さんなりとコミニュケーションして楽しんで帰ってくることですね。オレなんかいつでもどこでも「絶対オレに話しかけんなオーラ」出しまくって、たまさかそれに気付かない誰かがTV観ながら野球がどうとか政治がこうとか話しかけて来ようもんなら、眉間に皺寄せながら相手の方も見ずに「はん?」とかぞんざいに返事してますよ。全く何やってんだか・・・。