性犯罪登録者の監察官
バベッジ(
リチャード・ギア)が行方不明の少女を探す、という話なんであるが、グジャグジャドロドロの猟奇犯罪捜査モノになるかと思いきや、意外とスマートなサスペンスドラマとして出来上がっていた。性犯罪者の異常さそのものよりも、監察官の
リチャード・ギアが仕事に打ち込み過ぎて壊れてしまっている、というところがこの物語のミソであろう。なにしろ最初、「誘拐犯ってこの検察官ってオチなんじゃないの?」と思ったぐらい、
リチャード・ギアは憔悴し疲労し混乱しているのよ。監察に訪問した性犯罪登録者をまるで人間扱いしないばかりか、そのうち暗がりでボッコンボッコンヤキ入れているのよ。有り得ねえ。お前は
バットマンかよ。だから、よく出来ているけどちょっと地味目だったこの映画、サスペンスなんかに仕上げず、ピッチリタイツのコスチュームに身を包んだ
リチャード・ギアが、性犯罪登録者専門の仕置き人となって夜の闇を暴れまわるという、インモラル・ダーク・ヒーローものにすればよかったんじゃないの。相手はエゲツナイ性犯罪者なんだから、お仕置きの方法も下半身中心に思いっきりエゲツナイやり方で攻めて攻めて攻めまくればいいのよ。いやーやっぱりそういう映画の方が面白そうだよなあ、と思うのはオレだけ?