ヒュー・グラント演じる主人公はかつてポップバンドの大ヒットスターだったが、今は見る影もない零落振り。そんな彼が
ドリュー・バリモア演じる
ハウスキーパーの女性と、売れっ子女性歌手の為にラブソングを作る事になるが…というお話。まず笑っちゃうのが、主人公の元いたグループその名も《PoP》が、「
ワム!」や「a-ha」みたいな80年代エレポップバンドのパロディになっている所。他にも「フロック・オブ・シーガルス」や「
ビリー・アイドル」などの名前は出てくるし、観ているオレは「
デュラン・デュラン」だの「ヘアカット100」だの「
カジャグーグー」だのという名前をどんどん連想する始末で、あの時代にMTV漬けになっていた者にとってはこそばゆい事しきりの物語になっている。おまけに曲を提供しなければならない売れっ子女性歌手というのが
ブリトニー・スピアーズを思わせる雰囲気で、これがまたミョーで可笑しかった。映画自体は各々作曲と作詞を担当する主人公達がぶつかり合いながら最後は結ばれちゃう、とまあよくある展開で、それ自体に新鮮味は無いが逆に安心して観られるだろう。そしてお調子者で打算的な
ヒュー・グラントと、いつ
ももじもじしている割に自分の作品のあり方に対しては一歩も譲らない
ドリュー・バリモアの、それぞれの個性の付け方が物語りに程よいテンポと親近感を与え、なかなかの佳作に仕上がっていると思う。