Call of Cthulhu: Dark Corners of the Earth (WINDOWS)

主人公ジャックは元警官。彼はゲーム冒頭の事件で信じられない”モノ”と遭遇した恐怖体験により精神病院(アーカム精神病院!)に入院、その後私立探偵となる。そしてある日インスマウスでの失踪事件の調査依頼を受け、ゲーム本編が始まります。そこでジャックが目にした恐るべき存在の正体とは。


ラブクラフトの生み出した恐怖神話体系、クトゥルー神話をもとにしたPCゲームです。有名な"The Shadow over Innsmouth(インスマウスの影)"と"The Shadow out of Time(超時間の影) "をもとにしているようです。また、オレは詳しくはないのですが、ラブクラフトTRPGの有名なシステム、Sanity System(正気度)もゲームの中に織り込まれ、幻聴が聞こえたり視界が歪んだりする恐怖演出がなされています。


一人称視点のゲームですが決してFPSという訳ではなく、パズルや謎解きが主体のアドベンチャーゲームの要素が強いです。FPSのように体力などを示すHUDが存在せず、プレイヤーは主人公の体力の状態を動悸の激しさや視界の歪み、ぼやけなどからしか窺うことが出来ません。ただ一応インベントリ画面から治療を行うことができ、そこで主人公の怪我や体力の様子をビジュアルで見ることが出来ます。


ゲームの前半部は取り合えず隠れながらひたすら逃げ回る、ステルスの要素が非常に強いステージが続きます。この逃げ回る緊張感はラブクラフトの原作の恐怖感を体験できてなかなか楽しい。インスマウスの安ホテルで眠っていると、深夜不気味な連中がドアを破り襲い掛かってくる、なんて原作そのままのシーンがありますが、ここなんか本当に怖かった。喚きながらがっつんがっつんドアを叩く暴徒、逃げるにも恐怖で視界がぼやけ、窓から逃げようとする瞬間にはすぐ後ろまで迫ってこちらに手を伸ばしているインスマウスの住人、隣の建物に飛び移ったと思えばガンガン銃撃され…と非常に難易度が高いのと同時に迫り来る死の恐怖の演出が巧みで、冒頭では出色のシーンなのではないかと思います。なお後半は銃を手に入れ、結構銃撃戦もあるらしい。今現在白骨だの自殺死体だの屍累々とした下水道を逃げ回っているところであります…。


ゲーム画面はちょっと一昔前のウィンドウズゲームといった感じですが、このひたすら暗い視界となにやら薄ぼんやりした画面は、逆に原作の時代のレトロな雰囲気や不気味さを醸し出しているとも思えます。ゲーム進行は殆ど一本道で、謎も手近な所にヒントが隠されていますが、やはり英文が読めないとちょっときついかも。ちなみにオレは攻略サイトを参考に…ううう…。


あとこれはオレのPCのセッティングのせいかもしれませんが、ロード中にエラーが多く発生しています。セーブポイントでしかセーブしないので、場面転換の時にエラー起こされるときっついです。セーブポイントの配置は結構的確で、「次のセーブポイントまで物語を進めたい」と思いながらプレイしていると、先が知りたくなって次へ次へと結構やり込んでしまいます。そういうふうに考えるとこの『Call of Cthulhu』はゲームとして面白く出来ていると思います。


公式HP : http://www.callofcthulhu.com/
2chによるスレッド : http://game9.2ch.net/test/read.cgi/gamef/1143663488/
日本語による攻略ページ : http://www.game-damashi.com/pc/callfocthulhu/strategyguide.htm



ちなみに『インスマウスの影』は『ダゴン』というタイトルの映画化作品があり、こちらもお薦めです。
『DAGON』
asin:B00006JJC2