フラレた話(その1)

さて2周年記念と言うわけでもないが、これはもう時効だと思うので、かなり昔の女子にフラレたときの話をしよう。なおこれはオレの会社でのことなので、会社でこれを読んでいる皆様はいろいろ詮索するなり揶揄するなりして笑いやがれ!(3回連続)


その女子(仮にA子サン)を初めて見たのは同僚の結婚式の二次会でございました…。彼女はオレの会社の別事務所の子だったんですね。二次会では席が隣だったのですがとても人懐こい子で話していると楽しく、オレ様はすっかりのぼせ上がってしまったという訳さ!その後も仕事の件で何度か電話で遣り取りはしていたんですが”乗り突込み”が上手な子で、仕事の話のはずなのにいつもバカ話に花が咲き、フモのお熱は上がる一方だったんだな!


「いくしかない。これはいくしかない。」そう、オレも男、やるべきときにはやらなければいけないのである。取り合えず飯に誘い出そう!オレは決意した。と言う訳で仕事の振りして会社の彼女に電話、うーん、どうしようかなあ、とか迷っている彼女を説き伏せて(へえ、フモさんって説き伏せちゃうんだあメモメモ)なんとかかんとか会社が終わった後に待ち合わせることが決定!二人でお食事!ヤタ!フモ一世一代の大勝負だ!彼女いない暦10ウン年の汚名を返上するんだ!(…って10ウン年だったのかよオレ…。不憫だ…。)


そして数日後、一張羅のブランドもののスーツ着て、意気揚々と待ち合わせの場所に向うオレ。
ネタもあれこればっちりしこみ、どんな会話だってお茶の子さいさい、今日のオレはいつもと違うのさ!


さて彼女と落ち合い、目当てにしていたレストランに入る。
食事を頼んで会話も盛り上がり、そろそろデートの約束でも取り付けようか…と思っていたぐらいの時間に。
「ねえ、フモさん、話したいことがあるの」と彼女。
「ナニナニ〜?」と軽いノリでオレ。
「あのね、フモさん、私会社辞めるんだ。」
「…え?」


思わぬ展開に一瞬たじろぐオレ。
いやいや、会社辞めたとしてもだぞ、プライベートで会う約束すればいいじゃないか!
ひるむなオレ!頑張れオレ!
「あ、そうなんだあ!辞めてからどうするの?」と多少引きつりながら明るい調子で応えるオレ。
「フモさん、私結婚するの。」
「…え?」
けけけけけけけ結婚だとおおおおっっ!!!
…事態はまさに疾風怒涛の急転直下!


太陽へと限りなく近づいて、近づき過ぎて地へと落とされたギリシャ神話のイカロス。
まさにオレはイカロスのように真っ逆さまに落ちていったのである。
頭が真っ白になるって、あるんですね。
この後どうやって話を繋げればいいんですか。
取り合えず平静を装うしかやりようが無いじゃないですか。
「あ、あ、あ、そ、そそ、そうなんだあ…。」
強張った顔に夜店のお面みたいなちゃちい笑顔を貼り付けて、上ずり気味の声で返事をしてみる。
あー、飲み込めたみたいだなあ、という顔をして続ける彼女。
「…あの、相手はね、フモさんのよく知ってる人よ。」
「…え?」


(フモを襲う艱難辛苦の嵐!「フモさんのよく知ってる人」とは誰か?フモは生き延びられるのか?絶体絶命のフモの運命はいかに!?次回に続く!?)