豚汁の呼びかたは?

昨日は豚汁を作成、食しました。切って煮るだけ。オレのような粗忽者には似合った料理であります。
ところで「豚汁」とは「とん汁」なのでしょうか「ぶた汁」なのでしょうか。漢字熟語の音読み訓読みは基本的にいっしょになっているべきものですから、この場合「ぶた汁」が正しく、「とん汁」の読みは本来なら「とんじゅう」となってしまいますが、「とんじゅう」ですと何か怪しげな分泌液の様に聞こえてしまいますね。
関東が「とん汁」、関西が「ぶた汁」ってはなしもありますし、ネットで調べるとあちこちでかなり議論されてるみたいで、珍しい疑問でもなかったみたいですね。

豚肉と野菜を入れたみそ仕立ての汁。とん汁、ぶた汁、両方の呼び方があるが、NHK放送文化研究所研究員の塩田雄大さんは、ぶた汁の方が古いという。 1917年(大正6年)のある日の読売新聞「毎日の惣菜」欄でも「筍の豚汁」に「ぶたじる」と読みがなが振られていた。「とん汁」というのは、昭和初年、東京の・とんかつ屋で言い始めたのではないか、と塩田さんは推測する。そのためか、北海道と関西以西ではまだ「ぶた汁」が優勢のようだ。
日めくり: 豚汁 東は「とん」、西は「ぶた」http://www.yomiuri.co.jp/himekuri/030314.htm

各地方の呼び名などはこちらでどうぞ。
「豚汁」の呼び名集計所:http://kawase.jfast1.net/butaton/butaton.cgi
オレの作る豚汁の具は:
豚コマ、豆腐、人参、牛蒡、大根、コンニャク、キャベツ…
が入るのですが、これもよそではどうなんでしょうね。調べると里芋を入れる、というレシピが結構多かったのですが、お芋系ではジャガイモもあり、さらに九州ではサツマイモを入れるとか。(ホントッすか!?)でもキャベツを入れるのはさすがに少なかったですね。あともやしを入れるところもあるみたい。へー。ちなみにオレの豚汁の具材は北海道に住んでいた時、母親が作ってくれた豚汁の材料そのままです。あと、コンニャクは白いのを入れるのか、黒いのか?という議論もあり、これも深いなあ。オレは黒だな。
まあ地方地方でいろいろあるのでしょうが、オレだけが入れてどこの地方の人も誰も多分入れないと思う具材は…実はオレ、さらにおろしニンニクを入れちゃうんですね。味がくどくなってgoodです。いや、これが合うんだってば。
それと、豚汁に入れる牛蒡やこんにゃくは「灰汁抜き」をする、と教えられてやってはいますが、「灰汁抜き」ってそもそもなんなんでしょうね?これも調べると
《野菜の持つ渋味、えぐみ、苦味や、肉、魚の脂などに含まれる悪い味や不快な臭いなどを、ゆでたり、水につけたりして取り除くこと。 http://www.sukoyakanet.or.jp/recipe/words/a/akunuki.html
となってますが、しないとやっぱりおいしくないのかしらん。
そもそも「灰汁」って、「灰」の「汁」ですが、これは何のことだ?これも調べると、本来の「灰の汁=灰汁」は《灰を水に溶かして上澄みをすくった液のこと。アルカリ性で、洗剤、漂白剤などとして用いる。 ウィキペディア「灰汁」 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%81%B0%E6%B1%81》のことなんだって。なるほど。
さらに調べると灰汁って料理の材料になるんですね!《承平年間(931〜938)に編纂された『倭名類聚鈔』には「和名知萬木」という名で項目があり、もち米を植物の葉で包み、これを灰汁で煮込むという製法が載せられている。元々は灰汁の持つ殺菌力や防腐性を用いた保存食であった。その後、各地で改良や簡略化が行われ、特に京では中に餡を包み込むなど和菓子化していった。 ウィキペディア「粽」 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B2%BD
という訳で今日は「豚汁」から始まっていろいろ勉強になった日なのであったマル。
寒い日が続いてますが、皆さんも今晩は豚汁などいかが。