ご飯を茶碗に入れることをなんと言いますか?

■ご飯は「盛る」?「よそう」?

東北地方は「盛る」、関東や関西は「よそう、よそる」、九州などは「つぐ」と言う、と地域差があるようです。まず、岩手県からのお便りで「花巻では“盛る”。味噌汁も“盛る”。」といただきました。同じ、東北でも福島県からは「“わける”。“よそう”や“よそる”はテレビで聞くだけで、丁寧な言葉だと思っていた。」また、富山県は「よそて」というそうです。「よそてあげようか?」などと使うそうですよ。一方、西日本では「つぐ」が多いようです。
http://www.nhk.or.jp/a-room/kininaru/2006/11/1109.html

北海道生まれのオレは「よそう」でしたね。ただ北海道って本州のいろんな地方から移り住んできた人間の混成地帯なんで、他の呼び方しているところもあるかも。「つぐ」はさすがに聞いた事が無い。


■お味噌汁は「飲む」?「食べる」?
あと前から思ってたんですが、お味噌汁は「飲む」なのか「食べる」なのか?ということ。”汁”だから飲むものではありますが、具沢山のお味噌汁だと”食べる”という感覚もありますよね。逆に具沢山のお味噌汁を”飲む”となると何故か違和感がある。どっちなんでしょう。

味噌汁は昔、「御実御汁食(おみおつけ)」とも呼ばれていました。「食(け)」は食の古代の呼び名で、「御実(おみ)」は具、「御汁(おつ)」は汁。「御汁」の上に「御実」がくるように、味噌汁は汁の上まで何種類もの具をたくさん入れるものでした。具のたくさん入った味噌汁は箸を立てても倒れず、そのため、味噌汁は飲むのではなく、食べるものと考えられていました。
味噌汁のススメ ― 「実の三種は身の薬」
http://www.bioweather.net/bws/recipe/column/rc012.htm

概念的にはお味噌汁は「食べる」ものだということのようですね。ただ現実的にはやはりいろいろな呼び方があるようです。

お味噌汁は「飲む」と「吸う」のどちらが正しいですか?
http://chiebukuro.yahoo.co.jp/service/question_detail.php?queId=6858786

回答日時: 2005/11/23 15:37:41回答番号:24,703,275
どっちが正しいということもないですが、私の語感だとお味噌汁は飲む、すまし汁は吸う、というところです。

回答日時: 2005/11/23 15:38:27回答番号:24,703,288
みそ汁は飲む
スープは吸う

回答日時: 2005/11/23 15:38:31回答番号:24,703,292
すする。

回答日時: 2005/11/23 15:38:44回答番号:24,703,295
お味噌汁をのむですかね、私は。
友人は食べるっていいましたが^^;
お吸い物は吸うですw

あー、馴染みは無いですが「吸う」という言い方もあるようですね。まあ「すする」は論外と言うことでいいんじゃないかなあ…。
日常会話で考えてみて、例えば朝御飯のお味噌汁をなかなか食べない子供に、
「早くお味噌汁食べちゃいなさい」「飲んじゃいなさい」
というのはありそうですが、
「早くお味噌汁吸っちゃいなさい」
というのはどうなんでしょう。やっぱり「吸う」の方にはアリなのかなあ。オレなんかは聞き慣れないのでピンと来ませんね。


■スープは「飲む」?「食べる」?
そしてここで出て来ましたが、スープは「吸う」なのでしょうか。「飲む」という表現はよく見かけますが、本当のところはどうなんでしょう。

ヨーロッパでは、昔のパンはみな丸い形をしていた。 それも時間がたつとカチンカチンになってしまい、ナタで割ったほどだという。 割っても固くてなかなか食べられない。 そこで、パンをスープやワイン、水などに浸して食べるのが常識だった。 スープという言葉は、ヨーロッパではかならずパンの入っているもの、 あるいは水分に浸したパンそのもののことだった。 だから、今日でも、スープは食べるもので、飲むものではない。
●スープは飲むものでなく食べるもの http://structure.cande.iwate-u.ac.jp/german/soup.htm

おお!やはりスープも「食べる」もののようですね。これはお味噌汁を「食べる」のと共通するものがあるようですね。


「ご飯」「お味噌汁」「スープ」、皆さんのところではどのように表現しますか?


■《追記》「よそう」と「つぐ」はどう違うんだろう?
辞書で調べると「よそう」には「装う」の漢字が当てられ(常用)、これは「ごはんを盛る」意味であると同時に漢字を見て判るように「飾りととのえる、しつらえる」という意味があるようですね。
一方、「つぐ」は「注ぐ」であると同時に「継ぐ」と同源の言葉であるとなっており、また意味としては「器に物を入れる」であることから語義的に正しい訳なんです。
つまり地方色があったとしてもそれは方言とはまた別の物と言うことがいえるわけです。
標準語=よそ行きの言葉という感覚はあると思いますが、そもそも何を持って”標準”とされるのかというとそれはその時の政治の中心地の言葉ということになるんでしょうね。日本では明治に東京方言を基礎にして「標準語」としたとあり、しかしそれは人為的で”形而上的なもの”でしかない訳で、*1使うほうにとっては生活の中心にある言葉を尊重すればそれでいいのではないかと。
ただ語感からいうと「装う=よそう」は形を尊重する字義からどこか気取りのあるそしりを免れず、「注ぐ=つぐ」にはアクションそのものを表現している判りやすさと日常性はあるのかもしれませんね。
あと「よそる」はオレは「よそう」が訛った言葉だと思ってましたが、これは動詞として間違いはないのだそうですね。勉強になりましたー。

goo辞書:よそ・う よそふ 【装う】
http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%A4%E8%A4%BD%A4%A6&kind=jn&mode=0&base=1&row=1
goo辞書:つ・ぐ 【注ぐ】
http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%A4%C4%A4%B0&kind=jn&mode=0&base=1&row=2