バジリスク 全5巻

バジリスク~甲賀忍法帖~(5) <完> (ヤンマガKCスペシャル)

バジリスク~甲賀忍法帖~(5) <完> (ヤンマガKCスペシャル)

id:rinjiさんのところで「面白い!」と書かれたので興味が沸き全5巻購入で一気読み。…いや、本当に面白かったっす!
山田風太郎原作、徳川家の命による伊賀十人衆と甲賀十人衆、忍術使い同士の血みどろの殲滅戦が描かれます。しかし両家には心を通わす一組の男女がいて、彼らはこの無情な運命に身も心も引き裂かれ、そして命を奪い合わなければならなくなるのです。作画は せがわまさき。最近のマンガでは一般的になってますが、コンピューターを使ったリアルな背景と、圧倒的な筆力で描かれるユニークなキャラクター達の造形が楽しいです。
ストーリーはもうこの手の忍法物ではアーキタイプと言っても良いぐらい王道のエンターティメント。総勢20人の忍者達の化け物じみた驚異の忍術それ自体が、ストーリーの中で複雑に組み合わさり絡み合って様々な伏線を張るところなんかは本当に巧いですね。常人離れしていても無敵ではない、彼らのその忍術がどのように敗れていくかも見ものです。
あたかもトーナメントのように潰しあい刻々とパワーバランスの変わっていくそれぞれの忍者たちの計略、謀術、一人また一人と無念を抱きながら死んでいく彼らの非業な死に様、殺し合いながらも思いを捨てきれない主人公と敵忍者の娘との運命の行方など、読みどころ満載です。
それにしても以前も書いたが、マンガの面白さはやっぱ血の量だよな。