監督 アレクサンダー・ウィット(2004年アメリカ カナダ イギリス合作)
1を観た時は、これは映画というよりゲームのイメージビデオだなあ、と思った。ストーリーもシチュエーションも何処かで観たことのあるようなものをつぎはぎしてトレースしていて、何の新鮮さもない代わり、安心して見ていられる、お約束なつくり。オレは楽しめましたよ。映画として見ると光線があからさまに明るくて、ご丁寧に何でも見やすくなっていて、雰囲気もヘッタクレもないし画面の奥行きなんかどうでもいい、という、最初からリアルに見えることを放棄した思い切りの良い画面作りに呆れました。観客はホラーを見に来たんじゃなくてゲームのスリルと痛快さを追体験したいだけなんだ、という製作方針なんでしょうか、なんか、「ゾンビ」のジョージ・A・ロメロが監督を下ろされたのもなんとなく判るような気がします。
続編であるである今作も、その製作方針に一点の曇りもなく、アミューズメントパーク方式の映画に仕上がっております。なにしろ登場人物に全く魅力がない。びっくりするぐらい印象に残らない俳優ばかりです。いえ、ミラ・ジョボビッチは十分魅力的ですが、それは単に美人だからで、映画で描かれる彼女のキャラクターには人格さえ与えられていないような気がします。なんかもう人間じゃないし。でもミラ好きです。バストアップ多かったしなあ。「ミラが動いてんなら映画なんかどうだっていい」とさえ思ったもんなあ。またちょっとヌード披露してるし。ミラハァハァ。
映画はアクションシーンを見せるためにストーリーをこさえたようなもんで、だから細かい齟齬を気にするとキリがない不整合感に満ちています。1作目同様、この映画もホラーでさえなく、ゲーム的なテンションの高さを持続することだけで成り立っていて、建物同士の地理的な位置関係もよく判らず、場面が変わると次の建物に移動している、という、時間節約の上手な編集で、上映時間は91分、短めのほうが映画館の客の回転良くなるからなあ、という経済的な理由まで見えちゃって、凄いなあ、オートメーションのような映画だなあ、と思いました。
という、全く血の通わないまさしく黙示録的な映画ではありますが、実は、こういう映画が、オレは大好きです。人間の感情だの気持ちだの思いだの、人間関係の微妙な機微だのすれ違いだの、そして命の尊厳だの愛の成就だの、そんなものは全て壁の前に立たせて機銃掃射しちまえばいいと思ってます。大体オレは人間の振りをしているだけでも一杯一杯です。もうこの形をしているのにも疲れました。それでは皆さんさようなら。ぐじゃ、どろ。