雑誌を読む

「天然生活」なる雑誌を読む。“日々の暮らしに小さなこだわりを持っていたい全ての女性達に送るナチュラルなレシピ本”だということだが、日々の暮らしには小さなこだわりというよりは大きなわだかまりばかり持つ、ジャンク・フードと缶ビールに喉まで浸かった生活をしている腐ったやもめ男には、この雑誌は既に堂々たるファンタジー雑誌である。
ボンカレーでいい。ボンカレーで。」「ああ酒飲み過ぎ、今日も口内炎。」「一日睡眠4時間。キョーレオピンで今日も元気。」「ゴミ溜めみたいな部屋ならまだいい。オレの部屋は瓦礫の底にある。」「ゲームが終わんないんで慰安旅行休ませてください」等、様々な感動的な名言を残すオレの廃虚系ビューティフル・ライフとは次元を異にする内容なんである。
料理のレシピはシンプルでヘルシー志向。素朴でこざっぱりしたインテリア。さりげなく可愛らしい刺繍講座。決して高級志向ではないが、生活感はある程度抑えられていて夢がある。いかん。いかん。オレとしたことがどうしたことだ。ひょっとしていよいよ安らぎが欲しくなったのかっっ!?
なにしろレシピ読みながら料理作ってみたぞ。いやー、淡白な味だったなあ。ナンプラーとかバルサミコ酢とか使い道の思いつかない調味料ばっかり増えてしまったぞ。刺繍なんかも読んでるとやりたくなるぞ。嘘。やんない。ウサギの刺繍とか可愛いんだぞ。全体的に、オーガニックとかスローライフとか今風の言葉がぴったりな内容だな。
オレが安らぎが欲しくなったかどうかは置いといて、こういった女性的な世界というのは本当に破綻がないなあ、と思ってしまう。ステレオタイプな見方かもしれないけど、実に完結してますよね。いつも極端なこと・いびつな事ばかりぶっこいて生きていると、この生き方の落差に愕然としますね。そもそも健康的なことキライだし。そういえばオレ以前、ネットでよくある「男性度・女性度テスト」みたいのやったことがあるのね。性格女々しいので女性的なのかなあとか差別的なことを平気で思ってやってみたが、いやー、結果は見事に男の中の男でしたね。というか悪い意味で男性的で、利己的、攻撃的、女の気持ちは考えたことないってさ。…当たり過ぎだって。
ただオレはもし目の前に車の雑誌とスポーツの雑誌と女性誌を出されたら間違いなく女性誌を読んじゃうだろうなあ。化粧品や下着の話はちんぷんかんぷんだが、あとは結構抵抗ないな。女性の洋服とか見るのは好きなんですよ。この感覚はなんなんだろうなあ。